バレーボール男子のイタリアリーグ1部・セリエAは2024年12月8日(日本時間12月9日)、レギュラーラウンド前半戦の最後の試合となる第11節が各地であり、日本の石川祐希(28)が所属するペルージャはホームアリーナのパラ・バルトンで、ピアチェンツァにセットカウント3-2(25-19,25-23,22-25,17-25,15-9)で勝利した。試合時間は2時間18分。前節までに前半戦1位を確定させていたペルージャは開幕からの連勝を11に伸ばし、無敗でレギュラーラウンド前半を折り返した。ピアチェンツァは4敗目(7勝)。
この日、スターティングメンバーを外れた石川は第3セット、6-10の場面から途中出場し、試合終了までプレー。チーム4番手の12得点を挙げてチームの勝利に貢献した。16得点を挙げたペルージャのOHオレイ・プロトニツキ(ウクライナ)がレギュラーシーズン4度目のMVPを獲得した。(記事下に順位表)
勝ち方知るペルージャ OH3人同時にコートへ
ペルージャ・ロレンツェッティ監督の奇策がズバリはまった。2セットを先取したのち、第3、第4セットを連取された第5セットだ。全てのセットでスタートから起用してきたOPベンタラをベンチに留める。そしてなんと、石川、プロトニツキ、セメニウクのアウトサイドヒッター(OH)陣をそろってコートに送り込んだのだ。普段は同時にコートに立つことがめったにない3人のそろい踏みだ。
流れが相手に傾きかけた場面での「奥の手」はチームにもう一度スイッチを入れる「メッセージ」。さらに、マッチアップする駒を微妙にずらしてピアツェンツァの目先を変える「揺さぶり」としても機能しただろう。
最終セットも序盤は接戦。しかし、4-5からセメニウクのバックアタックで同点とすると、7-7からプロトニツキの連続サービスエースなど5連続得点で突き放す。そして石川は12-9から強力なパイプ攻撃を決めると、続けざまに207センチのOPボボレンタをブロックで止めてマッチポイントをもたらした。ボボレンタはこの日、途中出場ながら両チームトップの18得点、アタック決定率59%と大当たりだったが、打点が落ちた最後は石川にシャットされて、力尽きたのが象徴的だった。
パリ五輪のイタリア代表ずらり
ピアチェンツァにはOPボボレンタのほか、MBガラッシ、OPロマーノらこの夏のパリ五輪で日本が4度のマッチポイントを握りながら4強入りを阻まれたイタリア代表が数多くいた。ストレートで勝てる可能性もあった試合がフルセットになった状況はそのパリ五輪の準々決勝と似ていたが、ペルージャは勝った。「僕が点を取らなければいけないところで、取れなかった」と五輪で反省した石川はこの日、3セット目途中からの出場ながら12得点の活躍。ペルージャのポイントゲッターとして最後まで頼もしい姿を見せた。
セリエA順位表[2024.12.8現在]
順位 | チーム | 勝点 | 試合数 | 勝 | 負 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ペルージャ | 30 | 11 | 11 | 0 |
2 | トレンティーノ | 27 | 11 | 9 | 2 |
3 | チヴィタノーヴァ | 23 | 11 | 7 | 4 |
4 | ヴェローナ | 21 | 11 | 7 | 4 |
5 | ピアチェンツァ | 21 | 11 | 7 | 4 |
6 | ミラノ | 18 | 11 | 6 | 5 |
7 | チステルナ | 15 | 11 | 5 | 6 |
8 | モデナ | 14 | 11 | 5 | 6 |
9 | パドヴァ | 10 | 11 | 3 | 8 |
10 | ターラント | 10 | 11 | 3 | 8 |
11 | モンツァ | 7 | 11 | 3 | 8 |
12 | グロッタツォリーナ | 2 | 11 | 0 | 11 |
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