【競馬】ウインズ「エクセルシート」2024年も割引！そこは秘密の…後楽園で初体験

日本中央競馬会（JRA）の場外馬券場・ウインズにある「エクセルシート（フロア）」を知っていますか。表計算ソフトではなく、新幹線でいえばグリーン車のような「有料指定席」のことです。JRAは2023年に続いて2024年も特別料金キャンペーンを実施、土曜日と月曜祝日を中心に割引（1500円→1000円など）しています。「競馬を社技に」ともくろむPen＆Sports編集長・原田に連れられ、ギャンブラーの聖地・ウインズ後楽園のエクセルフロアに行ったのでレポートします。

JRA「エクセル」とは

ウインズといえば競馬新聞を片手にした人々がわんさかいて、真剣にモニターを見上げている…といったイメージがありました。そうした一般フロアは「無料・自由席・原則立ち見」ですが「エクセルシート（フロア）」は有料指定席です。全国のウインズ15か所にあり、「エクセル」だけの場外馬券場も5か所あります。

2024年1月6日から始まった「特別料金」は、土曜日と月曜祝日を中心に33％から半額の割引になる一方、日本ダービー（5月26日）有馬記念（12月22日）当日には割高（定価1,500円なら2,000円など）になる「ダイナミックプライシング」になっています。

ウインズ指定席の主な割引（2024年1月6日～12月28日）

場所	フロア	定価	土・月祝特別料金
ウインズ札幌（北海道）	6階エクセルフロア[221席]※UMACA	2,000円	1,000円
ウインズ後楽園（東京）	9階エクセル[60席]	3,000円	2,500円
	8階エクセル[321席]	1,500円	1,000円
ウインズ錦糸町（東京）	西館7階エクセルフロア[312席]	1,000円	500円
ウインズ浅草（東京）	B2階エクセルフロア[315席]	1,500円	1,000円
ウインズ汐留（東京）	9階エクセル席[310席]	1,000円	500円
	8階※UMACAシート[60席]	2,500円	1,500円
	8階エクセル席[232席]	1,500円	1,000円
エクセル伊勢佐木（神奈川）	6・7階スーペリアシート[253席]	1,500円	1000円
ウインズ新横浜（神奈川）	7階エクセルフロア[234席]※UMACA	2,500円	1,000円
	6階エクセルフロア[405席]	1,000円	500円
ウインズ名古屋（愛知）	5階エクセルシート[169席]※UMACA	2,500円	1,000円
ウインズ梅田（大阪）	B館6階エクセルフロア[272席]※一部UMACA	2,500円	1,500円
ライトウインズりんくうタウン（大阪）	ラウンジエリア[82席]	1,000円	500円
ウインズ広島	7階A・Cブロック[132席]	1,500円	1,000円
	7階B・Dブロック[118席]	1,000円	500円
エクセル博多（福岡）	エクセルフロア[477席]	1,500円	1,000円

• JRAの有料席営業状況案内

ウインズ後楽園へ。もう「ムー」しない

土曜日の昼下がり、JR水道橋駅前にあるウインズ後楽園へ。空港か長距離バスの待合室のようです。もっと人だかりで霞がかかったイメージでしたが、土曜日は重賞レースがないため空いているそうです。

私自身はまったくの初心者です。競馬場こそ中京、新潟、いまはなき福山、パリ（ロンシャン）など取材と遊びで行ったことがありますが、ウインズは数十年ぶりです。10年ほど前、ウインズ後楽園の3キロ先に住んでいたのですが、まったく存在を知りませんでした。

一方、原田は「カタカナは競馬新聞の馬の名前で覚えた」という筋金入りです。4～5歳のころ、競馬好きの父親に連れられて行った函館競馬場では「あきちゃん、ムー」と、タバコの副流煙を吸わないために口をつぐんでいるよう言われたとか。ほほ笑ましいというべきか、オイオイ父ちゃん…というべきか。ムー、をやってみせる原田に4歳の「あきちゃん」の面影をみたということは決してありませんが、もちろんいまは競馬場もウインズも禁煙で「ムー」する必要はありません。

エクセルフロア利用券、1500円→1000円を購入

青いポロシャツ姿のスタッフはとてもにこやかです。赤い札から好みの席を選びます。図書館の自習室のようです。馬券の購入や払い戻しは自動化が進んでいるのに時折、ひょっこりのぞくローテク（競馬新聞にマークシートに赤鉛筆も）がほほえましい。

並びの席を見つけて購入しました。通常価格1,500円のところ、1人1,000円です。手首に紙のリストバンドを巻いてくれました。これで出入り自由で、食事に出かけて戻ることもできるそうです。テーマパーク気分が盛り上がります。

エスカレーターで8階に上がりました。モニターと区切りのあるブースが321席、壮観です。

Wi-Fiも電源もあるので、本当に図書館のようにリモートワークや勉強にもいいかも…と思いつきました。土曜日に1日いて1,000円です。「90分以内」など制限があるカフェをハシゴするより気兼ねがいりません。気分転換に競馬を楽しめます。どっちがメーンの目的か分からなくなりそうですが。

座ってじっくり勝馬予想

席に荷物を置いてから馬券を買う紙（「マークカード」と呼ぶそうです）がある台に行きました。4種類ありました。馬券を買うのはほぼ初めての私、どれを取っていいのかも分かりません。「ながし」って何でしょうか。

• 投票カード（基本タイプ）：緑のカード。単勝、複勝など1点ずつ購入する基本のカード。
• ボックス・フォーメーション：赤のカード。複数の馬（枠）を選んで、様々な組み合わせで買う場合に。
• ライトカード：文字が大きくシンプルなデザインのマークカード。
• ながし：青のカード。連複ながし・連単ながし。軸にする馬（枠）を1頭（または2頭）決めて買う場合に。

まずは基本…というわけで基本タイプを数枚、手にしました。

単勝2倍に200円。複勝も「保険」で

編集長・原田はスポーツ紙の競馬欄を広げ、赤鉛筆…ではなく青サインペンを取り出しました。「レヴォルタード」を囲むと「軸」と書き入れています。単勝で一番人気、2.0倍です。編集長の言うなりに、基本の投票カードのマークを塗りつぶしました。私が買ったのは下記です。

• 単勝（1着の馬を当てる）6レヴォルタード　200円
• 複勝（3着までの馬を当てる。7頭以下なら2着まで）6レヴォルタード　1,000円

初心者ですしランチ代程度…ということで。原田は単勝で5,000円、買っていました。

あっさり的中！払い戻しは…

あとはビールとおつまみを手に、観戦です。が、ビールのふたを開ける間もなく始まり、あっという間に終わってしまいました。ちゃんと6番が1着でゴールしていました。「地道な研究の成果」だそうです。詳しくは分かりませんが、さすが編集長。

1年後に1ドルがいくらか、株価がいくらかなんて経済学者でも外れます。少なくとも判断を人任せ（競馬予想は参考にするものの）にせず、「自分の目で見て考えて判断する」という意味では健全なのかも…などと思いました。払戻金は単勝が200円、複勝は120円でした。

• 単勝：200円→400円
• 単勝：5,000円→10,000円
• 複勝：1,000円→1,200円

合計　6,200円→11,600円に。ふたりで5400円、勝ったことになります。席料とおつまみ代のモトは取り、お釣りがきました。私はこれで満足です。

「紙の馬券」「鉛筆でマーク」「紙幣わしづかみ」にドキドキ

競馬場やウインズ、ましてやエクセルフロアに行かずとも、馬券はスマホでも買えます。わざわざ足を運ぶのはなぜでしょうか。競馬場なら分かりますが、ウインズに行く理由とは。原田に尋ねました。

ただならぬ空気が隣の席に立ち込めていると思ったら、受験生時代の緊張までよみがえっていたとは…！エクセルシートの快適さに気付いてしまったので、ちょっと通ってしまいそうです。次回は叫んでいる人や万札をわしづかみにしている人に負けないよう、がっちり勝負したいと思います。