【バレーボール】ペルージャ12連勝。石川祐希は最終セット、勝利のキーマンに

バレーボール男子のイタリアリーグ1部・セリエAは2024年12月15日（日本時間12月16日）、レギュラーラウンドの対戦を一巡して迎えた後半戦初戦となる第12節が各地であり、日本代表の石川祐希（29）が所属するリーグ首位のペルージャは敵地で4位ヴェローナを3-2(25-19,23-25,25-20,22-25,15-7)のフルセットで下し、開幕から12連勝で無敗を守った。ヴェローナは5敗目（7勝）。試合時間は今季ペルージャとしては3番目に長い2時間21分だった。

石川はサーブで連続ブレイク、アタック4得点

リーグ戦で4試合連続の途中出場となった石川は、第2セットの17-21の場面でワンポイント起用されたのち、第4セットの11-15の場面で再びコートに立ち、そのセット終了までプレー。勝負の第5セットはスタートから14-5の場面まで起用され、アタックで4得点。ペルージャがマッチポイントを握るまで、石川はサーブでも5連続ブレイクで流れを引き寄せ、チームを勝利に導くキーマンになった。27得点を挙げたペルージャのOHオレイ・プロトニツキ（ウクライナ）がレギュラーシーズン5度目のMVPを獲得した。（記事下に順位表）

ヴェローナの大砲2人に苦戦

ペルージャは9月の開幕戦でストレート勝利した時とは、まるで別チームのように攻撃力が向上したヴェローナに手を焼いた。

前回の対戦では出場しなかったヴェローナの背番号９、マリ共和国出身のOHノウモリー・ケイタ（23）が先発した。ケイタは今季のセリエAの12チームのなかで目下、断トツの得点王。ここまでの12試合で285得点と大暴れしているアタッカーだ。ペルージャで最多得点をマークしているワシム・ベンタラの159得点（リーグ12位）と比較しても、その得点力は目を見張る。

• セリエA個人得点ランキング（20位まで）=12月15日現在

同じく、前回の対戦でほぼ出場機会がなかった背番号19、2021-22シーズンのセリエA得点王ロク・モジッチ（22）=スロベニア＝も復調してこの日はスタメン出場した。

試合を通じてアタックによる得点はペルージャの55に対して、ヴェローナが58と上回った。フルセットに持ち込まれたペルージャの苦戦は、2人で45得点をたたき出したヴェローナのケイタとモジッチの「個」の破壊力によるところが大きい。(下に記事が続きます)

石川「29歳も成長あるのみ」

しかし、負けられないペルージャが土壇場で勝負強さを見せる。

2セットずつ取り合って迎えた最終セット。ペルージャはサーブで攻めてヴェローナを振り切った。15点先取のタイブレーク。ロレンツェッティ監督はビッグサーバーのプロトニツキからサーブが始まるローテーションに組み替えた。

「千両役者」のプロトニツキはそれに見事に応えて、2連続サービスエースでスタートダッシュを決める。焦るヴェローナはケイタにアタックミス、モジッチに被ブロックのほころびが出始めて自滅。9－4から今度は石川がサーブで崩し、マッチポイントを握るまで5連続ブレイクでたたみかけた。最後はペルージャが格の違いを見せつけた。

4日前の12月11日に29歳の誕生日を迎えた石川は「29歳も成長あるのみ。20代ラスト楽しんでいきます」と自身のSNSでコメントした。イタリア10シーズン目の挑戦は限られた出場機会でプレーに「量より質」が求められる難しい役割が続く。それでも、この日の石川はサーブミスゼロ、チームトップのアタック決定率57％。短時間に凝縮された好プレーの連続は、まさに成長を感じさせるものだった。

ペルージャの次戦は12月18日（日本時間同19日）、参戦中のCEV欧州チャンピオンズリーグでサンナゼ―ル（フランス）とホームで対戦。セリエAリーグ戦では12月22日（同23日）、パドヴァとホームで対戦する。

セリエA順位表[2024.12.15現在]

順位	チーム	勝点	試合数	勝	負
1	ペルージャ	32	12	12	0
2	トレンティーノ	27	11	9	2
3	ピアチェンツァ	23	12	8	4
4	チヴィタノーヴァ	23	11	7	4
5	ヴェローナ	22	12	7	5
6	ミラノ	21	12	7	5
7	チステルナ	15	11	5	6
8	モデナ	15	12	5	7
9	パドヴァ	10	11	3	8
10	ターラント	10	12	3	9
11	モンツァ	7	12	3	9
12	グロッタツォリーナ	5	12	1	11