【セーリング】世界選手権、オランダで開幕。TAKAMORI・アンセナに注目！

セーリングの世界選手権は2023年8月11日からオランダ・ハーグでレースが始まりました。私(ペンスポ編集長・原田亜紀夫）のかつてのチームメートたちが、パリ五輪出場権獲得を目指す戦いに挑みます。2020年春から広報を務めたSailGP日本チームの元メンバーが日本代表として、各クラスで国枠獲得に挑戦します。

SailGP日本チームは2022年シーズン途中から、スポンサー不在のため活動休止中ですが、その世界最高峰リーグで経験を積んだ選手がパリ五輪へ向けてどんなレースをするのか注目です。今回は私が推す49級、49erFX級の選手を紹介します。

【49er級】高橋レオ・森嶋ティモシー組（木下グループ）

高橋・森嶋組は木下グループの支援を得て、TAKAMORI SAILINGとして活動しています。高橋は初出場した2021年東京五輪で小泉維吹とのペアで日本選手最高位の11位でした。目標としていたメダルレース（10位以内）にあと一歩届かなかったものの、世界で戦える感触と自信を得ました。パリ五輪に向けてはSailGPのチームメート同士だった森嶋と新コンビを結成。「セーリング競技で日本初の金メダルを目指す」と意気込んでいます。

49er専門誌の世界選手権事前予想では”Long Shots”（見込み薄）との厳しい評価。高橋・森嶋組にはぜひその予想を覆してほしいものです。

高橋レオ　静岡県熱海市出身。オークランド大卒。東京五輪代表。IMG所属。24歳。
森嶋ティモシー　オーストラリア生まれ。小学生時代を東大阪市で過ごす。26歳。

【49erFX級】山崎アンナ・高野芹奈組（YMIT）

山崎・高野組（アンセナ）は2022年秋から医療用機器や精密機械の開発および製造を行うYMIT所属に。新スポンサーを得て心機一転、リスタートしました。東京五輪では18位で最終10艇によるメダルレースに届かず。同じ49erFX級でペアを継続しパリ五輪調整を表明。日本人初となるメダル獲得を目標に活動を行っています。セーリング界にとどまらず、一般のスポーツファンからも愛される人気選手。女性アスリートという立場からセーリングを通じて社会問題解決にも積極的に取り組むとしています。

今回の世界選手権で、49er専門家の予想では”On the Bubble”（当落線上）との評価。ぜひその予想を上回るレースを見せてほしいものです。

山崎アンナ　横浜市出身。日体大大学院卒。23歳。
高野芹奈　大阪市出身。関大卒。リオデジャネイロ五輪、東京五輪代表、25歳。

世界選手権に日本から40人が出場

セーリング世界選手権のレースは2023年8月11日～20日まで。85の国と地域から約1400人が参加します。日本からは五輪種目に28チーム40人、パラ種目に1人が出場します。

参加選手一覧

種⽬	選⼿名	ポジション	所属	備考
470級 (男⼥混合)	岡⽥ 奎樹	スキッパー	トヨタ⾃動⾞東⽇本株式会社	ナショナルチームエース アジア⼤会代表
	吉岡 美帆	クルー	株式会社ベネッセホールディングス
	磯崎 哲也	スキッパー	ヤマハ発動機株式会社
	関 友⾥恵	クルー
	吉⽥ 愛	スキッパー	株式会社Q’sfix（キューフィクス）
	吉⽥ 雄吾	クルー	株式会社ピアソンマリンジャパン
	⾼⼭ ⼤智	スキッパー	ヤマハ発動機株式会社	シニア強化
	盛⽥ 冬華	クルー
49er （男⼦）	古⾕ 信⽞	スキッパー	株式会社エス･ピー･ネットワーク	アジア⼤会代表
	⾼柳 彬	クルー
	⾼橋 レオ	スキッパー	株式会社⽊下グループ	シニア強化
	森嶋 ティモシー	クルー
	嶋倉 照晃	スキッパー	Nabtesco（ナブテスコ）株式会社	HOPEアドバンス
	上園⽥ ⼼太浪	クルー	佐賀県セーリング連盟
49erFX （⼥⼦）	⽥中 美紗樹	スキッパー	株式会社豊⽥⾃動織機	アジア⼤会代表
	永松 瀬羅	クルー
	⼭崎 アンナ	スキッパー	株式会社YMIT（ワイミット）
	髙野 芹奈	クルー
	市橋 愛⽣	スキッパー	早稲⽥⼤学	HOPEレーシング
	後藤 凛⼦	クルー	⻘⼭学院⼤学
Nacra17 （男⼥混合）	飯束 潮吹	スキッパー	株式会社エス･ピー･ネットワーク	アジア⼤会代表
	⻄⽥ カピーリア 桜良	クルー	関⻄⼤学
	渡部 雄貴	スキッパー	瀬⼾内ジョイクルーズ
	植⽥ 実	クルー
ILCA7 （男⼦）	瀬川 和正		⿃取県⽴⽶⼦産業体育館	シニア強化
	南⾥ 研⼆		株式会社ミゾタ
ILCA6 （⼥⼦）	冨部 柚三⼦		福井総合病院／⼤阪体育⼤学	シニア強化 アジア⼤会代表
	三浦 帆⾹		神奈川⼤学	HOPEアドバンス
	⼭本 佑莉		岡⼭県⽜窓海洋スポーツ振興会
	柿元 ⿇⾐		株式会社豊⽥⾃動織機
iQFOiL （男⼦）	池⽥ 健星		三重県スポーツ協会	ナショナルチームエース アジア⼤会代表
	倉持 ⼤也		佐賀県スポーツ協会
	富澤 慎		トヨタ⾃動⾞東⽇本株式会社
	⽳⾒ 知典		株式会社ライテック	シニア強化
iQFOiL （⼥⼦）	須⻑ 由季		ミキハウス	ナショナルチームエース
	⼤⻄ 富⼠⼦		株式会社ホマレ電池	シニア強化
	渡辺 純菜		株式会社太陽コミュニケーションズ
	⼭辺 美希		株式会社サガミ
Formula Kite （男⼦）	唐⾨ 紘		⼤阪体育⼤学	HOPEアドバンス
Formula Kite （⼥⼦）	梶原 紗希
パラ種⽬ ハンザ303 （男⼦）	丹⽻ 巧		タイセーハウジング株式会社	JSAF パラセーリング委員会派遣

セーリング競技の五輪メダル　

日本勢が唯一、五輪メダルを獲得しているクラスが全長470センチの2人乗りヨットで競う470（ヨンナナマル）級です。適正体重が2人（スキッパーとクルー）の合計で130キロ前後と日本人の体格に適しているとされ、女子は1996年アトランタ大会で重由美子・木下アリーシア組が銀、男子は2004年アテネ大会で関一人・轟賢二郎組が銅メダルを手にしています。しかしパリ五輪から470級は男女混合種目に変更されます。

アリアンツ・セーリング世界選手権大会

英 語：Allianz Sailing World Championships

会 場: スヘフェニゲン Scheveningen (オリンピッククラス)ブラサムミューア Braassemrmeer(パラクラス)
日 程: 8月8~20 日(レースは 11~20 日)
参加国: 85カ国
参加選手: 1200 人
参加艇数: 400 艇
コーチ数: 400 人
開催種目: 10 種目（オリンピック種目）3 種目(パラ種目)
ボランティア: 600 人
レースエリア: 7エリア+1パラエリア