11月も終わります。今月もプロ野球日本シリーズなど、様々なスポーツシーンでアスリートが放つ、心が動く言葉に出会いました。勝っても負けてもアスリートが放つ言葉には思いがこもり、それに私たちは勇気づけられます。「ペンで、心を動かす」をミッションに掲げる”Pen&Sports” [ペンスポ] では毎月末、アスリートが語った印象的な言葉を独自に切り取り、お届けします。
何とか達成できたんでね、アレのアレを。
岡田彰布(プロ野球・阪神監督)
2023年11月5日、日本シリーズでオリックスを下し、38年ぶりの日本一を達成して
今年は3月31日の京セラドームでの開幕から、いつも満員の観客で応援してもらいました。何とか達成できたんでね、アレのアレを。本当に満足で、本当にいい形で終われて、ファンのおかげだと思うので本当にありがとうございました。
2023年11月5日、京セラドーム大阪で
阪神タイガースファンのみなさん、38年ぶりのプロ野球日本シリーズ制覇おめでとうございます。3勝3敗のタイとなった時には、正直オリックスバファローズが有利かと思いましたが、ファンの後押しを受けたタイガースは本当に強かった。ファンへの感謝の言葉も印象的でした。
これは政治的なメッセージではなく、ヒューマニティーです。
オンス・ジャバー(チュニジア・プロテニス選手)
2023年11月1日、世界のトップ8が争うツアー最終戦WTAファイナルで初勝利を挙げて
ごめんなさい、テニスの話ではなくて。でも連日、映像をみていて、とてももどかしいのです。ごめんなさい、これは政治的なメッセージではなく、ヒューマニティーです。私は、この世界に平和を望んでいるのです。それだけです。
2023年11月1日、試合後のインタビューで
試合に勝っても、悲しみに打ちひしがれて涙しました。女子テニス・シングルスで世界ランキング7位のオンス・ジャバー(29) =チュニジア=が2023年11月1日、世界のトップ8が争うツアー最終戦WTAファイナルで初勝利を挙げた直後のインタビューです。コート上で「ごめんなさい、本来はテニスの話をするべきだけど」と断りを入れて語り出したのは、1万人以上の死者が出ているイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘のことでした。「子どもたちや赤ちゃんが毎日死んでいくのを見るのはとてもつらい」「私はパレスチナの人々を支援するため、この大会の賞金の一部を寄付することを決めました」。声を上げるアスリートの勇気に会場のファンは立ち上がり、拍手がわきました。
虎視眈々と絶対に狙うっていう、湧き上がる気持ちと冷静さが大切
関 友里恵(セーリング混合470級・ヤマハ発動機)
オランダ・ハーグで2023年8月、開かれたセーリング世界選手権で、3位に入賞した逆転劇を振り返って
もちろん実力も必要ですが、最後まで虎視眈々と絶対に狙うっていう、湧き上がる気持ちと冷静さが大切だなと思いました。レースが70パーセント経過ぐらいまでは全然順位が変わらなかった。6位だったんですが「絶対に大丈夫」っていうことを信じる気持ちと、あきらめないっていう気持ちで、必死にやりました。
2023年11月19日、Pen&Sports配信のインタビューで
引退から4年半のブランクをへて「もう1回、勝負にかけてみたい」との思いを2022年5月、いまのパートナーである磯崎哲也選手にぶつけました。3回、断られてもあきらめず、スポンサーも見つけ、復帰へ。ほとばしる情熱を感じさせます。ペア結成1年後の世界選手権で3位に入り、パリ五輪出場への挑戦は続きます。「人生にも成功にも流れがあると信じています」との言葉に思いがこもります。
一番頭が切れる(smartest)ランナーになりたかったけれど、ばか(dumbass)みたいに走った
グラハム・ブランクス(男子クロスカントリー)
2013年11月18日、NCAA全米大学クロスカントリー選手権男子個人(10キロ)で優勝して
I wanted to be the smartest runner today, but I ran like a dumbass.
2013年11月18日に米バージニア州シャーロットビルで行われた全米大学協会(NCAA)主催の全米大学クロスカントリー選手権男子個人(10キロ)で、ハーバード大学のグラハム・ブランクスが28分37秒7で優勝しました。ブランクスは米東部の伝統校IVYリーグ(ブラウン大、コロンビア大、コーネル大、ダートマス大、ハーバード大、ペンシルベニア大、プリンストン大、イエール大)初の全米制覇になります。
NCAAなどによると、レースは接戦となり、ブランクスは残り1キロで集団からスパート。ラスト1キロを2分42秒でカバーし、ニューメキシコ大のハブトム・サムエルを3秒差で振り切りました。
ハーバード大生らしく、冷静で緻密なレース運びをするはずが、ばかみたいに(dumbass)何も考えず必死で走った、というところでしょうか。接戦を最後に制した決めては「ハート」なんだな、と思います。
「アレンパ」は思い浮かばなかったので、初めて佐藤をすごいと思ったね、おーん
岡田彰布(プロ野球・阪神監督)
2023年11月27日、兵庫県尼崎市で開かれた日本一報告会で
タイガースとしては2年連続優勝はないので、来シーズンはそれに向かって、またみんなで。この間、また言葉を探せって言われたので。だれかから聞いたけど、ニュースで佐藤がええ言葉いってたみたいやね。おーん。
2023年11月27日、兵庫県尼崎市で開かれた日本一報告会で
佐藤輝明選手「アレンパです」
「アレ」に少しアレンジした形で、でも「アレンパ」は思いつかんかったね。
岡田監督、2度目の登場です。本当にいい味出していますね。会場が爆笑していました。
甲子園に入った瞬間、鳥肌が立ちました。
室橋 弦輝(捕手・中越高校OB)
2023年11月29日、阪神甲子園球場で
コロナ禍によって2020年、戦後初の中止になった第102回全国高校野球選手権大会をめざしていた当時の選手たち700人が2023年11月29日、阪神甲子園球場に集いました。「あの夏を取り戻せ~全国元高校球児野球大会2020‐2023~」で、新潟県の「独自大会」で優勝していた中越(新潟)OBの室橋弦輝さんは、シートノックと入場行進に参加しました。
「入った瞬間、他のどんな球場とも違う景色でした。監督やOB、いろんな人から『甲子園は特別』と聞いていましたが、信じていなかった。でも初めて入って鳥肌が立ちました。3年越しに感じられて最高でした」。
現在は石巻専修大学3年生で、野球部主務として活動を続けています。入場行進も「みんなで話し合って、中越の伝統の足を高く上げる行進をしようと決めました」。人数が足らずに試合はできませんでしたが、笑顔が弾けていました。
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