バレーボール男子イタリア1部リーグ・セリエAは2025年3月8日(日本時間3月9日)、3戦先勝方式のプレーオフ(PO)準々決勝が始まり、日本代表の石川祐希を今季から迎えて2季連続のスクデットを目指すペルージャ(レギュラーシーズン2位)は本拠パラ・バルトンでの第1戦でモデナ(同7位)を3-1(23-25/32-30/25-22/25-18)で下して白星発進した。この試合のMVPは7得点(サービスエース2、ブロック2、アタック3)を挙げたペルージャのセッター、シモーネ・ジャンネッリが獲得した。スタメンから外れた石川は第2、第3セットで途中出場したが、限られたチャンスを生かせずに無得点に終わった。PO準々決勝第2戦は3月16日(日本時間3月17日午前2時)にモデナのホームで行われる。
大阪ブルテオンからレンタル移籍中の垂水優芽が所属するチステルナ(レギュラーシーズン8位)はトレンティーノ(同1位)と対戦し、トレンティーノが3-0(25-23/25-19/25-14)で先勝した。日本代表の大塚達宣所属のミラノ(レギュラーシーズン6位)はチヴィタノーヴァ(同3位)と翌9日(日本時間10日)に対戦する。
モデナに苦戦、監督激怒

ペルージャは序盤、モデナの攻勢に手こずった。第1セット、本来ビッグサーバーのプロトニツキやベンタラにサーブミスが相次いでペルージャが自ら流れを手放す展開。対するモデナは点取り屋のグティアレス(キューバ)とダヴィスキバ(ベラルーシ)の両OHが絶好調だった。
MBアンザーニにサービスエースを許し、グティアレスにレフト弾をたたみかけられて、14-17と突き放された場面。ペルージャのロレンツェッティ監督は2度目のタイムアウトをとった。試合の序盤から顔を真っ赤にして怒り心頭の指揮官は珍しい。今季のレギュラーシーズンでは見られなかった「激怒」のベンチワークからはプレーオフならではの緊張感が漂ったが、その甲斐むなしく、ペルージャはそのセットを奪われてしまった。
第2セット奪取、7度のデュースの末に

第2セットもモデナが奮起し、互角の展開。ペルージャは終盤、やっとの思いで立て直した。決定率が上向き出したOHセメニウクにトスを集め、そこを活路に流れを手繰り寄せた。最後もレフトからセメニウク。7度のデュースをしのいでこの第2セットをものにしたのがペルージャの勝因だ。
終わってみれば3-1だが、フルセット並みの2時間32分に渡った消耗戦はペルージャにとっては誤算だったはず。しかも、モデナはパリ五輪にも出場したMBサンギネッティ(イタリア代表)をけがで欠いていた。今季これまで3度の対戦では、ペルージャがいずれもストレートで振り切ったが、プレーオフとなるとすべては仕切り直し。リーグ7位のモデナでさえ、侮れない相手であることを改めて思い知らされた危ない試合だった。
途中出場の石川は不発だった。第3セット、12-12からコートに送り出されたが、なかなか石川にはトスが上がらず、17-15でようやく放ったレフトからのクロススパイクはアウトに。18-17の場面でめぐったサーブも相手のエンドラインを超えた。石川のコンディションが気がかりだ。
ペルージャにとって3月の日程は過密を極める。3勝するまで準決勝に勝ち上がれないセリエAのプレーオフに加え、同時にモンツァとのCEV欧州チャンピオンズリーグ準々決勝の試合が、1週間に2試合のペースで交互に続く。
次戦は3月11日のチャンピオンズリーグ、モンツァ戦。主将のジャンネッリは「これからの試合は大差で勝つ必要はなく、ただ勝ち切ることが大事。結果がすべてだ」と強調する。スクデット、欧州CLの残る二つのタイトルに向けて立て直しを図るペルージャ。この日のようなエンジンのかかりが遅いスロースタート癖や、モデナとの消耗戦のダメージを引きずらないといいのだが。

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