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【パリ五輪】バレーボール男子、ドイツの「ラスボス」グロゼルに屈した日本

Paris 2024 Olympics - Volleyball - Men's Preliminary Round - Pool C - Japan vs Germany - South Paris Arena 1, Paris, France - July 27, 2024. Yuji Nishida of Japan, Taishi Onodera of Japan, Ran Takahashi of Japan and Gyorgy Grozer of Germany in action. REUTERS/Siphiwe Sibeko (France) クレジット表記 写真:ロイター/アフロ 日付 2024年7月27日 人物 高橋藍, 小野寺太志, 西田有志 撮影国 フランス
パリ五輪バレーボール男子C組の日本-ドイツ戦で、グロゼル(背番号9)のアタックをブロックする高橋藍(12), 小野寺太志(2), 西田有志(1)=2024年7月27日、パリ・サウスアリーナ(写真:ロイター/アフロ))
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日本がドイツの「ラスボス」を攻略できず、まさかの黒星発進だ。パリ五輪は2024年7月27日、本格的に競技が始まり、ミュンヘン大会以来52年ぶりのメダル獲得を目指すバレーボール男子予選ラウンドC組の日本は初戦でドイツと対戦、セットカウント2-3(17-25, 25-23, 25-20, 28-30, 12-15)で敗れた。世界ランキング2位の日本に対し、ドイツのランキングは出場12チーム中下から二番目の11位。試合前、「一番最初が一番大事」と日本の石川祐希が話していた初戦だったが、本来なら勝てる相手に競り負け、勝利を取りこぼした。

目次

歴然だった「スタートダッシュの差」

当地パリの午前9時試合開始。バレーは夜の試合がほとんどの中、慣れない時間帯の五輪の初戦。ドイツにとっても同じ条件とはいえ、日本の入りは明らかに鈍く、ぎこちなかった。終わってみれば、フルスロットルの状態で試合に入ったドイツとの「スタートダッシュの差」が最後まで響いた敗戦だったといえよう。

第1セット。日本が目覚める前に、エンジン全開で飛ばしたのがドイツのエース、グロゼルだ。その39歳のサーブに対応できず、日本は8連続失点で2-9と先攻を許す。その間、日本のベンチは2度のチームタイムアウトを繰り出す慌てぶりを露呈した。

攻撃ではセッター関田誠大と、石川、西田有志らアタッカー陣のコンビが合わない場面が目立ち、第1セットをあっさりと失う苦しい展開となる。Pen&Sports [ペンスポ] が 7月15日に開催したオンラインイベント「パリ五輪バレーボール男子日本 メダルへの道 徹底ガイド」で中西美雁氏が指摘していた通り、先のVNL(ネーションズリーグ)で対戦した際(3-2で日本勝利)はドイツが「リベロ登録」で敢えて試合に出場させなかったグロゼル。近況のデータが少なく細心の注意を払うべきだったのだが、そんな「ラスボス」グロゼルにまんまとやられた格好だ。

グロゼルの運動量が落ち始めた第2、第3セットは石川、高橋、西田らが持ち前の決定力を発揮して連取。しかし、勝負所の第4セットを大接戦の末に28-30と奪われ、第5セットもリードを許す大苦戦。日本のサーブミスや高いブロックに対する単調な攻撃が目についた。結局、両チーム最多の24得点を許したグロゼルの勢いを止められず、日本は敗れた。

Pas de problème”とパリ市民に励まされる

2024年 パリ五輪 バレーボール 男子 予選ラウンド キャプション Paris 2024 Olympics - Volleyball - Men's Preliminary Round - Pool C - Japan vs Germany - South Paris Arena 1, Paris, France - July 27, 2024. Yuji Nishida of Japan, Taishi Onodera of Japan, Ran Takahashi of Japan and Gyorgy Grozer of Germany in action. REUTERS/Siphiwe Sibeko (France) クレジット表記 写真:ロイター/アフロ 日付 2024年7月27日 人物 高橋藍, 小野寺太志, 西田有志 撮影国 フランス
コロンブのカフェでバレーボール日本―ドイツ戦を共に観戦したサルバトーレさん(左)

筆者はパリ郊外のコロンブのカフェで、日本人の妻を持つ鉄道会社勤務(運転士)のフランス人、サルバトーレさんとこの試合を観戦した。前日にパリ入りしたPen&Sportsも今大会は入手できたチケットが限られ、厳しい戦いを強いられている。それでも、パリの空気や市民の体温を感じながら、独自の視点で取材を続けていく。「パリ五輪ではVNLの時のようにフランスと日本のファイナルを期待している。そうすれば、ブラン監督は母国フランスに金メダルをもたらしてくれる。日本は銀メダルなら取れるよ」と意地悪に笑うサルバトーレさん。「アルゼンチンとアメリカに勝てば、何も問題ない(Pas de problème)のだから」と励まされてカフェを出た。

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