MENU
ニュースレターに登録する

「今週の1本」やイベント案内など、スポーツの風をお届けします。

個人情報の扱いはプライバシーポリシーをご覧いただき、同意の上でお申し込み下さい。

【陸上】泉谷、村竹 同時ファイナリストなるか きょう(8/7夜)男子110M障害準決勝

泉谷、村竹 同時ファイナリストなるか きょう(8/7夜)男子110M障害準決
2024年陸上日本選手権男子110mハードルで優勝した村竹ラシッド=2024年6月30日、写真:YUTAKA/アフロスポーツ
  • URLをコピーしました!

パリ五輪も終盤戦。今夜2024年8月7日夜(日本時間の8日午前2時5分)、陸上競技のトラックで注目のレースがある。日本時間では遅い時間だが、夜更かしをしてでもライブで観る価値があるだろう。男子110メートル障害の準決勝だ。日本からはともに13秒04の日本記録を持つ泉谷駿介(24)=住友電工=と、村竹ラシッド(22)=JAL=が8月4日の予選を突破して出場する。なぜ注目なのかというと、かつては「世界に最も遠い」と言われ、これまで日本選手がだれも五輪で決勝に進出を果たしたことがないこの種目で、日本勢2人がそろって決勝に進出する可能性があるからだ。

目次

村竹全体2位、泉谷は5位で予選突破

準決勝は3組あり、各組8人ずつ計24選手が出場する。そのなかで、予選は村竹が全体の2位、泉谷は全体5位のタイムで準決勝に進んだ。準決勝で村竹は1組、泉谷は3組に登場する。決勝に残れるのは8人。準決勝の各組上位2人(計6人)とそれ以外のタイム上位2人が決勝(日本時間8月9日4時45分)に進む。選ばれしファイナリストにどちらか1人でも入ればすごいことなのだが、今回は日本勢2人のハードラーが同時にファイナリストとなってもおかしくないとみる。歴史が動く瞬間を目撃できるかもしれない。

順大OB 指導者も世界のファイナリスト

泉谷と村竹を順天堂大学時代から指導するのは、日本陸上競技連盟の強化委員長でパリ五輪陸上競技日本選手団の監督を務める山崎一彦(53)さん。私と同世代で同じインターハイに出た同士。山崎さんは埼玉・武南高で高校最後の1989年はまなす国体少年男子400メートル障害を勝ったスターだった。

山崎さん自身、その後も400メートル障害を専門とし、日本人として初めて世界選手権のファイナリスト(1995年イエテボリ大会7位)になった実績の持ち主だ。事前合宿地のパリ郊外セルジーに入る前に電話取材に応じた山崎さんは「2人が決勝に進出するのは、そんなに簡単なことではありませんよ」と控えめに語ったが、「世界での立ち位置は本人たちが一番わかっています。私はまずは2人がスタートラインに立てるように全力でサポートを頑張ります」と話した。

意外にも練習は個別

泉谷と村竹は同じ種目でベスト記録も大学も同じ。2人はさぞ切磋琢磨しているかと思えば、意外にもそうではない。実は山崎さんは泉谷、村竹を2人一緒ではなく、別々に指導している。泉谷は週に1、2回、東京北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)をベースとして合宿となればマンツーマン指導をし、村竹は順天堂大学を拠点に指導している。

「別に2人は仲が悪いわけでも何でもないんですよ」と冗談めかしたが、「個別性を重視すると自然とそうなった」という。「私が時間をとられてたいへんなだけなんですよ」と山崎さんは自虐的に言った。(下に記事が続きます)

経験の泉谷、一発の村竹

2024 ダイヤモンドリーグ ユージーン大会男子110mハードルに出場した泉谷駿介=2024年5月25日、写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

2人はハードルの踏切足も違えば、考え方も、性格も、試合へのアプローチも異なる。それを山崎さんは尊重する。

実績では泉谷が上だ。昨年2023年のブダペスト世界選手権で決勝に残り、5位入賞。今季は世界最高峰リーグのダイヤモンドリーグ(DL)を主戦場に転戦し、初戦だった4月の厦門大会で13秒17(向かい風0.3メートル)の3位に。東京五輪に続く2大会連続の五輪代表に決まった。

「175cmと身長が小さいですが、それを補って余りあるバネと抜群の身体能力がある。いわゆる万能でたまたまハードルをしているような選手。海外での経験を積んできたのも大きい」と山崎さん。泉谷は神奈川・武相高時代、八種競技で全国インターハイ優勝。特に跳躍力は群を抜いていて、走り幅跳びの自己記録は日本トップクラスの8メートルを超える。

一方の村竹には勢いと意外性がある。3年前の日本選手権の予選では東京五輪の参加標準記録を突破しながら決勝ではフライングで失格した。そこから立て直し、2023年秋の日本インカレで泉谷の日本記録に並ぶ13秒04の日本記録をたたき出した。今年の日本選手権も雨の中、13秒07(追い風0.2m)のセカンドベストで初優勝。危うさの反面、意外性がある。「ここぞというときの集中力、爆発力。はまった時の一発が彼の魅力です」というのが山崎さんの村竹評だ。

ライバルは東京五輪金メダルのパーチメント(ジャマイカ)、世界選手権金メダルのホロウェイ(米国)あたりか。男子110メートル障害での日本選手初のファイナリストへ、そしてメダルへ。スタッド・ド・フランスでの泉谷、村竹の快走が見逃せない。

山崎和彦(やまざき・かずひこ)1971年5月10日生まれ。埼玉・武南高、順天堂大、筑波大大学院修了。1995年イエテボリ世界選手権では400m障害で日本人初の決勝進出。1992年バルセロナ、1996年アトランタ、2000年シドニーの五輪3大会出場。2001年に現役引退後、2003年から2014年3月まで福岡大、同年4月からは順天堂大で指導。日本陸連強化委員長。順天堂大陸上競技部専任コーチ。

ペンスポニュースレター(無料)に登録ください

スポーツ特化型メディア“Pen&Sports”[ペンスポ]ではニュースレター(メルマガ)を発行しています。「へぇ」が詰まった独自ニュースとスポーツの風を届けます。下記のフォームにメールアドレスを記入して、ぜひ登録ください。

個人情報の扱いはプライバシーポリシーをご覧いただき、同意の上でお申し込み下さい。

  • URLをコピーしました!

\ 感想をお寄せください /

コメントする

目次