パリ五輪がある2024年、朝日、読売、毎日、日経の4紙は1月1日の紙面でスポーツをどう報じたでしょうか。各紙の見出しと内容を比べました。パリ五輪の記事では、バレーボール日本代表主将の石川祐希選手と女子やり投げの北口榛花選手が多く登場していました。(福岡市中心部で配られる紙面で比較。ページ数は別刷り広告も含む。地方版は含みません)
朝日新聞:パリ五輪連載「技」
一面は政治資金パーティー券裏金問題の続報で、数年ぶりに企画ものではなく、特ダネ(独自ダネ)紙面での元日トップ記事です。スポーツ関係の記事は…。
本紙(3ページ)
- 2024年の主なスポーツ日程
- パリ五輪連載「技」1回目:「世界惑わす 華麗なる一芝居」バレーボール男子パリ五輪予選で高橋藍、西田有志がみせた「フェイクセット」にフォーカス。石川祐希が中大1年で渡ったイタリアのチームに名手がいて、習得したという。アスリートの「技」を紹介する連載6回。
- 通常紙面(12月31日のスポーツ):井岡 宣言通りKO完勝
別刷り4部・スポーツ特集(8ページ)
- パリ五輪:「昇っていく 一つになれる」石川祐希(バレーボール男子日本代表主将)×富樫勇樹(バスケットボール男子日本代表主将)のインタビュー。(フロント面)
- 「100年ぶりの五輪 迎えるパリ」(見開き2ページ):パリ五輪の競技・会場紹介、元サッカー日本代表アシスタント・ダバディさんインタビュー。
- 「竜巻・二刀流…心つかんだ60年」(1ページ):大リーグに日本出身の選手が誕生してから2024年で60年。日米の関係者3人の談話
- パリ・パラリンピックの選手・監督5人の紹介(1ページ)
- 上地結衣・小田凱人(車椅子テニス)
- 酒井園実(パラ陸上女子走り幅跳び)
- 岸光太郎(車いすラグビー代表監督)
- 平林太一(ブラインドサッカー)
別刷り5部・甲子園球場100年(4ページ)
- 直木賞作家・今村翔吾さん寄稿
- 「憧れ 伝統 未来へ」(見開き2ページ)阪神甲子園球場の歴史、長島三奈さん・斎藤佑樹さん対談、阪神・岡田彰布監督談話。
「野球は外でやらなあかんで」。岡田監督の味のあるコメントが読ませます。最終面は「100年聖地。」の金色の文字もまばゆい、阪神甲子園球場の広告です。「ドカベン」「巨人の星」「ダイヤのA」「タッチ」「H2」「プレイボール」など、甲子園を舞台にした漫画の登場人物が集合しています。読売・毎日・日経にも同じ広告が掲載されていました。
読売新聞:パリ五輪連載「決意」
読売も朝日同様、一面はストレートニュースで、臓器移植と裏金についての特ダネ(独自ダネ)を持ってきています。
本紙(4ページ)
- 巨人・阿部慎之助監督インタビュー
- パリ五輪連載「決意」1回目:「無敵兄妹 柔を背負う」柔道男子の阿部一二三、女子の阿部詩にフォーカス
- 通常紙面(12月31日のスポーツ):神村学園 流れるパス(高校サッカー)
- 通常紙面(12月31日のスポーツ):井岡KO 初防衛
別刷り4部・スポーツ特集(10ページ)
- パリ五輪:橋本大輝(体操男子)インタビュー(フロント面)
- 橋本インタビュー続き。渡辺勇大・東野有紗(バドミントン混合ダブルス)インタビュー(パリ五輪では男女混合種目が過去最多を更新、20に達する見通し)。セーリングの岡田・吉岡組についても少し紹介あり
- パリ五輪「アクションスポーツ パリの華」半井重幸(SHIGEKIX、ブレイキン)、安楽宙斗(スポーツクライミング)の紹介
- 江村美咲(フェンシング)の大型談話、パリ・パラリンピックの梶原大暉、里見紗季奈(バドミントン)の紹介
- 甲子園 熱闘1世紀:甲子園球場開場100年の話題。桑田真澄さん、藤川球児さんインタビュー
パリ五輪で混合種目が増えていることを取り上げているのが目をひきました。阪神甲子園球場の広告は、最終面ではなく中面にありました。
毎日新聞:新年インタビュー2024
一面は企画記事「遮音(ミュート)社会」がトップでした。
本紙(2ページ)
- 新年インタビュー:森保一・サッカー男子日本代表監督など
- 新年インタビュー:北口榛花(女子やり投げ)。通常紙面(12月31日のスポーツ):井岡 世界戦22勝など
別刷り・スポーツ特集(8ページ)
- パリ五輪:「平和への希望 つなぐ」石川祐希(フロント面)
- パリ五輪「注目アスリート」6人紹介(見開き2ページ)
- 橋本大輝(体操)
- 北口榛花(やり投げ)
- 羽根田卓也(カヌー)
- 鈴木優花(マラソン)
- 河村勇輝(バスケットボール)
- 池江璃花子(競泳)
- 卓球・Tリーグ紹介:「完璧へ自分に厳しく」張本智和インタビュー
- パリ五輪の競技場紹介
- パリ・パラリンピック選手4人紹介(見開き2ページ)
- 小田凱人(車いすテニス)
- 斎藤由希子(砲丸投げ)
- 米岡聡(トライアスロン)
- 八木克勝(卓球)
毎日はプレー中の写真が多く、躍動感があっていいですね。ただ、出場がまだ決まっていない選手も、内定している選手も一緒に紹介しており、注意書きがない(本文でも分かりにくい)のは読者に誤解を与えるかも、と感じました。北口選手は本紙と別刷り、2回登場です。
別刷り・甲子園100年(4ページ)
- 「二人の”せいぞう”ドデカい夢舞台」甲子園建設を進めた阪神電鉄・三崎省三と野田誠三のエピソード(フロント面)
- 甲子園100年、センバツ100年の歩みを紹介
最終面は朝日・読売・日経新聞と同様、「100年聖地。」の広告でした。
日経新聞:スポーツを社会発展の力に
昭和のシステムは99年目ともなると時代にあわなくなった…と「経済の若返り」がテーマの連載企画「昭和99年 ニッポン反転」の1回目が一面トップでした。
本紙(2ページ)
- 飛躍2024:「スポーツを社会発展の力に」をテーマに、角田哲史さん(ホンダ・レーシング・エグゼクティブチーフエンジニア。電動時代のF1開発を率いる)、山田悦子さん(日本スポーツ振興センター先任研究員。パリ五輪のレガシー戦略を担う)を紹介。
- 通常紙面(12月31日のスポーツ):井岡気迫 KOで初防衛など
別刷り2部・スポーツ(2ページ)
- パリ五輪「いざパリ 限界を超えろ」北口榛花(やり投げ)と競技紹介
- パリ・パラリンピック「パラ この体こそ世界一」福永凌太(陸上)と競技紹介
最終面は朝日・毎日と同様、「100年聖地。」の広告でした。
記事ではないのですが広告特集「2024年、シン(辰)時代へ」で、元・車いすテニスの国枝慎吾さんが巻頭インタビューに登場していました。
こうして見比べると各紙とも新種目にはかろうじて言及があるものの、限られた紙幅にあってマイナー競技となると厳しいものが…。たとえば40年ぶりに自力出場を決めた男子ハンドボールの記事は、どこにも見当たりませんでした。私たちペンスポに何ができるか、どんな発信ができるか、思いをはせつつの紙面比較になりました。
ペンスポニュースレター(無料)に登録ください
スポーツ特化型メディア“Pen&Sports”[ペンスポ]ではニュースレター(メルマガ)を発行しています。ペンスポ編集長が週1回、スポーツの躍動と元気の素をお届けしています。下記のフォームにメールアドレスを記入して、ぜひ登録ください。
\ 感想をお寄せください /