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【ハンドボール】長距離砲レフトバック49人 | リーグH名鑑2026vol.2

左から松浦未南(香川銀行シラソル香川)水町孝太郎(豊田合成ブルーファルコン名古屋)井桁晴香(HC名古屋)池畑咲和(三重バイオレットアイリス)部井久アダム勇樹(ジークスター東京)=久保写す、以下すべて
左から松浦未南(香川銀行シラソル香川)水町孝太郎(豊田合成ブルーファルコン名古屋)井桁晴香(HC名古屋)池畑咲和(三重バイオレットアイリス)部井久アダム勇樹(ジークスター東京)=久保写す、以下すべて
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ハンドボールの各ポジションに求められる技術や役割を紹介するシリーズ。2025-2026シーズンのリーグHでプレーする各チームの主力選手の特徴を、役割ごとに分類していきます。第2回はレフトバック(LB)。昔で言う「左45度」は「エースポジション」とも呼ばれるだけあって、今シーズンも各チームの顔が揃いました。  

目次

ヨアン・バラスケス(豊田合成ブルーファルコン名古屋)ロングシュート

手足が長くて全身がバネのよう。ヨアン・バラスケス(豊田合成ブルーファルコン名古屋)のシュート力はリーグ屈指
手足が長くて全身がバネのよう。ヨアン・バラスケス(豊田合成ブルーファルコン名古屋)のシュート力はリーグ屈指

レフトバックに求められる役割は、なんと言ってもロングシュートです。ロングシュートが入れば、DFが前に出ざるを得ません。DFが出れば、裏のスペースが空いて、ピヴォットが自由に動けます。逆にロングシュートがなければ、DFはベタ引きで守れるので、崩される心配がありません。レベルが上がれば上がるほど、ロングシュートの重要性が増し、ロングを決め切れる人材はごく一握りになります。 

ヨアン・バラスケス(豊田合成ブルーファルコン名古屋)は、長いリーチを攻守に生かすハードワーカー。長い腕をしならせて豪速球を9mの外から叩き込むだけでなく、DFでもパスカットやルーズボールに活躍します。アンダーハンドからのしゃくりも得意技のひとつ。球持ちよく、肘をしならせて、しっかりと引っ張り上までコントロールします。

アンドレ・ゴメス(ブレイヴキングス刈谷)の強肩は、一度見たら忘れられません。「球が速いのは正義」と言わんばかりに、球速を武器に得点を重ねていきます。ただしゴメスが単発でパカパカ打つのは、本来のチームがやりたいハンドボールではありません。ゴメスがロングを打って、入るか入らないかで勝負が決まる「アンドレガチャ」はほどほどにして、組織のなかでゴメスの剛腕を的確に使えるかが、ブレイヴキングスの今後の課題です。 

山口直輝(レッドトルネード佐賀)は日本人有数のロングヒッター。ケガで現在は登録を外れていますが、短期決戦で勝つには山口のロングは欠かせません。藤川翔大(トヨタ自動車東日本レガロッソ宮城)は181㎝しかないのにロングシュートが入る貴重な人材です。どんな場面でも腕を振り続け、1試合10点以上は当たり前。勝負の責任を背負って奮闘します。シウ・オーベック(熊本ビューストピンディーズ)に求められる役割はロングシュートでしょう。カットインプレーヤーが多いメンバー構成上、9mの外から打ち込めるオーベックの復帰が待たれます。 (下に記事が続きます)

吉野樹(ブレイヴキングス刈谷)独特のシュートフォーム

このテークバックは吉野樹(ブレイヴキングス刈谷)だけ。肩甲骨周りが柔らかいから、ここから無理なく腕が出てくる
このテークバックは吉野樹(ブレイヴキングス刈谷)だけ。肩甲骨周りが柔らかいから、ここから無理なく腕が出てくる

ロングシューターのなかには個性的なフォームの選手がたまにいます。独自のメカニズムが、人とは違ったタイミングのシュートになるので、GK泣かせです。生まれながらに「1・2の3」の「の」の間合いを持っている選手です。 

男子日本代表のエース吉野樹(ブレイヴキングス刈谷)は腕を振り回しているように見えて、肩甲骨周りの柔軟性があるので、とても理にかなっています。腕を振れる間合いが取れれば、国際レベルでも11mから叩きこめます。ゴールの四隅を狙うコントロールもよく、アジアでも有数のロングヒッターです。

服部沙也加(熊本ビューストピンディーズ)も肩甲骨周りが柔らかく、緩そうな腕の振りからワンテンポ遅れて速い球が来ます。このギャップにGKは面食らいます。2025~26シーズンは3枚目DFに専念していますが、服部のロングシュートをもっと見たいですね。喜納歩菜(ザ・テラスホテルズラティーダ琉球)は、野球のスナップスローのような「流しの上(右利きの喜納から見てゴール右上)」が必殺技。野球経験は「小学生のときに外野手だったので、そんなに上手ではなかったですよ」と言いますが、内野手のスナップスローのような投げ方はオンリーワンの個性です。

中村権一(アースフレンズBM)クイックシューター

隙あらば打つのが中村権一(アースフレンズBM)。梶原晃監督代行は「今年は権一と心中」と期待している
隙あらば打つのが中村権一(アースフレンズBM)。梶原晃監督代行は「今年は権一と心中」と期待している

3歩を使ってシュートを打つと、気持ちよく打てますが、同時にGKもタイミングを取りやすくなります。だからDFやGKが準備していないタイミングで「隙あらば打つ」シュートが効いてきます。コンパクトな腕の振りがあれば、上背がそんなになくても、シュートは決まる。そんな見本のような選手たちです。 

今季からアースフレンズBMのエースになった中村権一は、クイックシューターの代表格。コンパクトな腕の振りで、隙あらばガンガン打ってきます。速い展開だったり、相手がきっちりとセットで守りたいタイプのときに効果的です。粘り強いボール回しからの1本と両立できれば、さらに上の選手になれるでしょう。

昨季までアースフレンズBMにいた濱津秀斗(大崎オーソル埼玉)もクイックシューターです。DFの間にはまって、コンパクトに打つから、シンプルに得点を量産できます。野球中継では投手の動きを見て、腕の振り方を参考にしているとのこと。腕の振りが速いから、簡単に点を取っているように見えますが、そのための努力があるようです。岩﨑琢未(レッドトルネード佐賀)は0歩、1歩で打てて、高確率で決め切る新人です。2025年7月の社会人選手権から、独自のタイミングでインパクトを残していました。レフトバックに故障者が出ている今がチャンスです。 

井桁晴香(HC名古屋)ステップシュート

ステップシュートにロングシュートもあって、1対1もキレキレ。井桁晴香の得点力がHC名古屋を押し上げた
ステップシュートにロングシュートもあって、1対1もキレキレ。井桁晴香の得点力がHC名古屋を押し上げた

ステップシュートがあると、点を取るバリエーションが広がります。間にはまってステップシュート。わざとDFと被って、ブラインド気味に打つのもありです。ステップシュートがあるぞとDFを身構えさせて、そこからカットインで抜くのも常套手段。パッシブプレー寸前の「打たざるを得ない」場面でステップシュートが決まれば、チームを救う1本になります。 

井桁晴香(HC名古屋)と言えばステップシュート。ステップシュートと言えば井桁。必殺のステップシュートを武器に、1年目から大活躍しています。1対1も切れるし、ロングシュートもあるので、近年はバランスよく点を取っている印象です。

山口眞季(三重バイオレットアイリス)はロングヒッターですが、調子がいいときはステップシュートや2次速攻でのランニングシュートで楽に点を取っています。無理にロングシュートで疲れるより、DFの間が広い状況で楽に点を取れれば、DFにもより集中できるでしょう。22歳の山田遥帆(大阪ラヴィッツ)はたまにですが、目の覚めるようなステップシュートを打ちます。(下に記事が続きます)

松浦未南(香川銀行シラソル香川)カットイン

2025年12月の世界選手権を経て、松浦未南(香川銀行シラソル香川)のカットインはすごみを増した
2025年12月の世界選手権を経て、松浦未南(香川銀行シラソル香川)のカットインはすごみを増した

最初からロングシュートが入ればいいのですが、レベルが上がるとそう簡単に打たせてもらえません。だからロングを打つための前段階としてカットインが必要になります。特に相手DFの1枚目と2枚目の間、アウトスペースを割る攻撃が重要になってきます。アウトを割れば、2枚目のDFが寄り、それにつられて3枚目のDFも寄ってきます。上背のある左右の3枚目が2人揃うと強力なので、アウト割りで引き離したいのです。アウト割りが効けば、真ん中でのロングも打てるし、レフトウイングとの「横の2対2」もできるし、選択肢が広がります。 

松浦未南(香川銀行シラソル香川)は158㎝でも、根拠を持ってロングシュートを決められる才能の持ち主でした。しかし2025年12月の世界選手権では「1対1の逆ミスマッチ」に特化して、日本代表に欠かせない存在になりました。帰国後のカットインも以前より力強くなった感があります。

前田みのり(ハニービー石川)はカットインに特化したプレーヤー。シンプルに間を割ることだけに集中して、ベンチからの得点源になります。小澤基(大同フェニックス東海)は、丁寧なアウト割りが信条です。松原敦希(大崎オーソル埼玉)、玉井康仁松本大昌(ともに福井永平寺ブルーサンダー)、泉本心(ジークスター東京)は、いずれも1対1が強い有望株です。

野尻雄偉(琉球コラソン)は強烈な1対1で、得点ランキングのトップを走ります。小さくてもフィジカルがあって、ボディバランスがいいので、カットインで抜けたあとに左手で打つなど、色んな引き出しを持っています。山﨑洸平(安芸高田わくながハンドボールクラブ)はフットワーク力よりも「位置取りで勝つ」タイプ。オフ・ザ・ボールの動きから、無理なくDFの間にはまって、シンプルに抜けていきます。

水町孝太郎(豊田合成ブルーファルコン名古屋)センターとコンボ

普段はヒゲを生やしている水町孝太郎(豊田合成ブルーファルコン名古屋)だが、決勝戦だけはゲン担ぎでヒゲを剃る
普段はヒゲを生やしている水町孝太郎(豊田合成ブルーファルコン名古屋)だが、決勝戦だけはゲン担ぎでヒゲを剃る

「打ち屋」のレフトバックと「司令塔」のセンターバックでは役割も性格も違いますが、その両方の役割ができる選手は貴重です。いい意味での「どっちつかず」な感じを生かしながら、チームのバランスを整えてくれます。

水町孝太郎(豊田合成ブルーファルコン名古屋)は若いころ、地肩の強さに任せてロングシュートを打っていました。枠外にふかすこともしばしばで、勢い任せなところもありましたが、ウーゴ ロペス前コーチから教わり、理にかなったプレーをするベテランに変貌しました。速いパス回しと戦術理解で2ポジションをカバーして、日本代表でも欠かせない存在になりました。

重藤駿介(福井永平寺ブルーサンダー)は、エースにしては上背がなく、純正のセンターでもありませんが、2ポジションで使って味が出るタイプ。ピヴォットを視野に入れてプレーができるし、たまに打つロングが効果的です。

女子では瀧川璃紗(ハニービー石川)が、2ポジション兼用のバックプレーヤー。アウトも割れて、ロングシュートもあって、短時間ならセンターで球回しもできるので、長丁場のリーグ戦でチームの穴を埋めてくれます。(下に記事が続きます)

部井久アダム勇樹(ジークスター東京)攻守の要

DFで欠かせない存在になったが、部井久アダム勇樹(ジークスター東京)のシュート力は健在
DFで欠かせない存在になったが、部井久アダム勇樹(ジークスター東京)のシュート力は健在

上背があって、ロングシュートが打てて、3枚目DFができるのが、理想のレフトバック像です。日本だと若い年代で「お前は点を取るだけでいいよ」と甘やかしがちですが、早い段階から攻守に責任を背負わないと、こういったスケールの大きい選手は育ちません。 

部井久アダム勇樹(ジークスター東京)は、9mの外からぶっ放す「アダムキャノン」で有名ですが、2026年1月のアジア選手権では、DFメインでフル出場していました。経験と長いリーチがあるので、アジアの各国は誰も部井久の前を狙ってきません。2次、3次速攻でのロングシュートも健在です。ベテランで元日本代表の成田幸平(レッドトルネード佐賀)は、そろそろケガから復帰するでしょうか。3枚目DFで成田がにらみを利かすだけで、DFラインの落ち着きが違ってきます。GKと枝で合わせるクレバーさに、ロングシュートを叩きこめる技術は、チームに不可欠です。 

女子では大松澤彩夏(アランマーレ富山)が、理想的な成長曲線を描いています。DF要員からスタートし、ロングシュートが入るようになり、カットインも覚えて、日本代表にも定着しました。2025年12月の世界選手権でさらに自信をつけて、アランマーレの顔になりました。竹内琉奈(ブルーサクヤ鹿児島)は、2025年12月の日本選手権優勝の立役者。竹内のロングが入れば、セットOFがスムーズになります。カットインからの左手シュートもいい隠し味です。倉岡愛実藤原ひなた(ともにイズミメイプルレッズ広島)は、大前典子監督の「レフトバックは左3枚目を守る」フォーマットにぴったりの人材。2人が攻守の要でいてくれるから、攻防チェンジなしで速攻に持ち込めます。 

富永聖也(ブレイヴキングス刈谷)DF寄り

富永聖也(ブレイヴキングス刈谷)はトップDFで新境地を開拓した
富永聖也(ブレイヴキングス刈谷)はトップDFで新境地を開拓した

得点力が評価されがちなポジションですが、レフトバックにも守備力の高い選手がいます。

戸井凱音(豊田合成ブルーファルコン名古屋)はスモウレスラーのような強じんな体で、身体接触を嫌がりません。3枚目DFで激しく当たり、2次、3次速攻では体を張ってのアウト割りで、7mスローを獲得します。エンプティゴールを狙ったロングスローが、時たまクロスバーの上を通過してしまうのはご愛嬌。攻守に馬力全開でプレーします。

富永聖也(ブレイヴキングス刈谷)は2026年2月のリーグ再開から、トップDFで輝きを放っています。相手のきっかけの動きが始まると同時に、スーッと前に上がって5:1DFになります。高い運動能力でしつこく動き回るから、相手が苦し紛れにロングを打っても、GKが両手でキャッチできるイージーシュートになります。DFだけでなく、セットOFでもアウト割りで身体能力をフル活用します。

中田凌河(大同フェニックス東海)も高い身体能力が持ち味です。福井永平寺ブルーサンダーではエースでしたが、古巣の大同に戻ってからはDFありきのロールプレーヤーになりました。庄子直志(レッドトルネード佐賀)は攻守にバランスのいいタイプ。不来方高校(岩手)時代から、トータルバランスのよさを評価されていた選手です。

 女子では田沼美津希(HC名古屋)が、DF力ありきのバックプレーヤー。2枚目、3枚目を守れる安心感があって、ディスタンスシュートも打てるから、使い勝手のいい選手です。 

清水裕翔(アルバモス大阪高石)点取り屋

スター性のある清水裕翔(アルバモス大阪高石)。DF力がつけば、日本代表にも呼ばれるはず
スター性のある清水裕翔(アルバモス大阪高石)。DF力がつけば、日本代表にも呼ばれるはず

とにかく点を取りまくるスコアラー。DFには多少目をつぶっても、得点力に期待したい選手です。 

清水裕翔(アルバモス大阪高石)はファンタスティックな点取り屋です。ロングシュートにカットインに左手など、個人技に華がある選手です。銘苅淳監督の我慢強い指導のもと、正しい位置取りなどを覚えて、組織のなかで点を取れる選手になってきました。小川玲菜(飛騨高山ブラックブルズ岐阜)はロングシューターから徐々にカットインを覚えて、バランスのいいスコアラーになってきました。ロングを打つ間合いと、1対1で切れ込む間合いをうまく使い分けられたら、もっと点数が伸びるでしょう。得点力不足に悩むブルズにとって、小川玲の点数が勝敗を大きく左右します。

斎藤伎海(ゴールデンウルヴス福岡)は、チームでは貴重な得点源。厳しくマークされても、点を取ることが求められます。ただ打つだけでなく、ピヴォットのミトゥン・オイスティン・カトゥラに対角でパスを通せるセンスもあります。ウルヴスで言えば、初代エースの伊藤極もバリバリの点取り屋でした。伊藤が打ち続けてくれたから、今のウルヴスがあると言っていいでしょう。(下に記事が続きます)

池畑咲和(三重バイオレットアイリス)インパクトプレーヤー

池畑咲和(三重バイオレットアイリス)は女子には珍しい、短時間で点を取れる選手
池畑咲和(三重バイオレットアイリス)は女子には珍しい、短時間で点を取れる選手

単位時間あたりの得点効率がいい選手です。ベンチから出てきて、欲しい場面でサッと点を取ってくれると、試合の流れがとても楽になります。

池畑咲和(三重バイオレットアイリス)は東京女子体育大学時代は「点が取れるセンター」でしたが、三重に入ってからは「ベンチからの起爆剤」に専念しています。ツボにはまれば2025年9月のブルズ戦のように、途中出場の8分間で6連続得点という驚異的な爆発力を見せてくれます。チーム全体でもう少しデザインしてあげられたら、池畑もコンスタントに点が取れて「代打の神様」的な立ち位置を確立できるでしょう。

 屋田菜美(HC名古屋)は4人目のバックプレーヤーのような位置づけです。明るい笑顔もあるので、屋田の得点が決まるとチームの雰囲気がパッと明るくなります。松浦侑加(ブルーサクヤ鹿児島)は高い身体能力で、OFのリズムを変えてくれる存在です。 

男子では佐藤歩(トヨタ自動車東日本レガロッソ宮城)の爆発力が際立ちます。ツボにはまった日のロングシュートは見応え抜群で、決勝ゴールを決める勝負強さもあります。西山尚希(大崎オーソル埼玉)は、ゴールを狙う闘争心が武器。1本目から激しく前を狙って、停滞したOFに喝を入れます。最初の1本が決まれば、とことん点が取れます。1本目を止められたときにむきにならずに軌道修正できれば、もっとチームを勝たせられるでしょう。

川島芽依(ブルーサクヤ鹿児島)左右両バック兼任

女子日本代表にも選ばれた川島芽依(ブルーサクヤ鹿児島)。攻守にバランスがいい
女子日本代表にも選ばれた川島芽依(ブルーサクヤ鹿児島)。攻守にバランスがいい

レフトバックもライトバックもできる選手がいると、様々な組み合わせが可能になります。手薄なライトバックを補いながら、火力を落とさずプレーできるので、チームとしては重宝します。

川島芽依(ブルーサクヤ鹿児島)はレフトバックの有望株で、女子日本代表にも選ばれました。岸本健太コーチが「ライトバックでも意外とできるな」と見抜いて、両バックで使った2025年12月の日本選手権で大当たり。アウトも割れて、ディスタンスシュートも入って、2枚目、3枚目の両方を守れて、両バックでプレーするというマルチぶりでした。

阿部成将(安芸高田わくながハンドボールクラブ)はレフトバックが本職ですが、ライトバックの大先輩・中浦成崇(現HC滋賀監督)に教わったシュート技術があるので、ライトバックでも機能します。 

山﨑洸平(安芸高田わくながハンドボールクラブ)すべてを背負う

山﨑洸平(安芸高田わくながハンドボールクラブ)は、湧永製薬伝統の「理にかなったハンドボール」の後継者
山﨑洸平(安芸高田わくながハンドボールクラブ)は、湧永製薬伝統の「理にかなったハンドボール」の後継者

適切なタイミングで、勝負の責任を背負ってプレーしないと、エース候補は一回り小さくまとまってしまいます。強豪チームで分業制に慣れるのではなく、試合に出続けて、自分のシュートで勝負が決まる「しびれるような感覚」を味わうことで、エースはエースらしく成長するのです。

ケガで登録抹消されたのがとても残念ですが、扇谷蓮(富山ドリームス)は1年目からエース格で奮闘していました。中央大学時代は「余計なことをしない」バイプレーヤーでしたが、富山ドリームスでは「いろんなバリエーションで点を取る」レフトバックに進化しました。的確な判断力はそのままに、1ランクグレードアップした感があります。

小澤基(大同フェニックス東海)は、勝負の節目を熟知する男。勝敗を決する場面では、丁寧なアウト割りで点を取り、ルーズボールに飛び込みます。しびれるような試合展開で「やっぱり最後は小澤だよね」というプレーを見せてくれます。吉野樹(ブレイヴキングス刈谷)は早い段階から勝負の責任を背負いながら、できることを増やしてきました。投げ方が特殊なロングシューターが、国際レベルで通用するアウト割りを覚えて、2枚目DFでもハードワークするようになり、責任を持って状況判断ができるいいベテランになりました。

山﨑洸平(安芸高田わくながハンドボールクラブ)も、チームを背負う自覚が攻守に表れています。的確な位置取りで優位に立ちつつ「周りが点を取ってくれると嬉しい」と、プレーのなかで若手を育てようと意識しています。ルーズボールに飛び込み、ベンチからも全力で声をかけるなど、洗練されたプレーと泥臭さを両立させたナイスガイ。山﨑が元気なうちに、わくながはプレーオフに返り咲きたいところです。

以上、レフトバックは超長文になりました。次回はセンターバックです。

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