この試合で勝てばパリ五輪出場が決まる!そんな大一番が今夜、ハンドボール男子日本代表に控えている。カタール・ドーハで開催中のパリ五輪男子アジア予選。日本は準決勝で韓国に34-23で快勝し、決勝に進出した。アジア11か国で1位チームのみが得る五輪出場権をかけ、28日17時30分(日本時間23時30分)開始予定の決勝でバーレーンと対戦する。日本は4戦全勝で通過した今大会の1次リーグでバーレーンを27-26の逆転勝ちで下している。今夜の決勝で日本が勝てば、開催国枠で出場した2021年の東京五輪を除いて1988年ソウル五輪以来の出場権を獲得する。決勝で敗れた場合は来年3月の世界最終予選に回る。
決勝バーレーン戦「ディフェンスでどれだけ耐えられるか」
ハンドボール専門記者でPen&Sports [ペンスポ]コラムニストの久保弘毅は「バーレーンは日本のディフェンスの弱みを的確についてくるチーム。ディフェンスでどれだけこらえられるかがポイントになる」と指摘。「ただ、ダグル・シグルドソン監督のもと、7年かけて土台を築いてきた。どの選手が入ってもフィットするチーム作りが結実しつつある。決勝はその集大成。ディフェンスを頑張って1点差でいいから勝ち切ってほしい」と期待する。
勝算については「フィフティフィフティ。でも五輪切符がかかった予選で(可能性が)フィフティフィフティなんて言えるチームはこれまでほとんどなかった」と話した。
バスケ、バレーに続けるか
男子バスケットボール日本代表も、男子バレーボール日本代表も自力でパリ五輪出場を決めた。ハンドボール男子が勝てば、団体球技で3チーム目の五輪出場権獲得となる。ただ、ハンドボールがバスケやバレーと決定的に違うのは「ホームアドバンテージ」がないことだ。
男子バスケは沖縄、男子バレーは東京・代々木と、パリ五輪予選が日本開催だったこともあり、超満員の観客とテレビ中継、SNSなどで選手の活躍や競技の魅力が知れ渡り、たくさんの後押しがあった。
一方のハンドボールはカタール・ドーハの地で、観客席がほぼ空席のアリーナでひっそりと決勝まで勝ち上がった。テレビ、新聞の報道を見渡しても、扱いは小さくこの快進撃の価値に見合っていない。準決勝の日韓戦をライブ配信したカタールハンドボール協会のYoutubeを私は見ていたが、わずか「1830人が視聴中」の文字。男子バスケ、男子バレーがパリ五輪まであと1勝としたタイミングの盛り上がり、ボルテージとの落差は痛々しくもある。
「中東の笛」の苦難からいま、千載一遇のチャンス
2000年代初頭から男子ハンドボール日本代表は中東びいきの審判によるいわゆる「中東の笛」に翻弄されて五輪出場を逃してきた歴史がある。2016年リオ五輪では団体競技で唯一、男女とも出場できなかったのがハンドボールだった。開催国枠で出場した2021年の東京五輪では男女とも予選ラウンドで辛くも1勝を挙げたが、世界との差を見せつけられた。そんな苦節の時代を経てきた男子ハンドボールがパリ五輪まであと1勝まできた。今夜、千載一遇のチャンスを手にしようとしている。
ハンドボール男子パリ五輪アジア予選ライブ配信サイト
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