【サッカー】塩貝と伊藤の連携で決勝弾 | 日本、スコットランドに快勝

サムライブルー
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サッカー日本代表は2026年3月28日(日本時間3月29日)、英国グラスゴーのハムデン・パークでスコットランド代表と国際親善試合(キリンワールドチャレンジ2026)を行い、1-0で勝利した。

目次

GK鈴木彩艶のスーパーセーブ

試合立ち上がりに日本代表は、この試合最大のピンチを迎えた。8分にスコットランドの右クロスに前田大然が対応し、その後ろでは伊藤洋輝がコースを消していたが、ジョン・マッギン(アストン・ヴィラFC)の右足クロスが中央に上がり、ゴール正面で藤田譲瑠チマと菅原由勢の間でフリーになったFWスコット・マクトミネイ(SSCナポリ)がゴールエリア内の正面で左足シュート。あまりの至近距離だったがGK鈴木彩艶が左手1本で弾くとポストに当たって失点を免れた。

鈴木彩艶は負傷が明けて間もないが、ここぞというところで抜群の反応を見せて正GKにふさわしいパフォーマンスを披露した。堅守を特徴とするスコットランドに対して敵地で得点を許せば、さらに守備は固くなり得点が難しくなる試合展開は目に見えていた。鈴木彩艶のこのプレーが、この試合の大きな分岐点となった。

そして終盤の84分に試合は動いた。中盤中央の中村敬斗が左サイドに散らすと三笘薫がボールを持つ。中央から相手ディフェンスラインの裏にアンダーラップで走り込んだ鈴木淳之介がボールを受けるとダイレクトで左足クロス。

そのボールをFW塩貝健人が落として、スピードにのった伊藤純也がキックフェイントで相手を交わして右足を一閃。1つ目のシュートのタイミングでつられてダイブしていたGKの右足に当たったが、ゴール左に吸い込まれた(1-0)。

そのまま最小得点差で日本が勝利。アウェイながら優勢に試合を進め、勝つべくして勝った試合だった。

データでも日本が圧倒

ボールポゼッションは、スコットランドの45%に対して日本は55%。シュート数は8本に対して18本で、枠内シュートは3本に対して7本と日本が上回った。(下に記事が続きます)

塩貝が代表デビュー戦で初アシスト

78分に藤田譲瑠チマと交代で途中出場した塩貝健人は、巨漢選手を相手にも物怖じすることなくダイナミックな動きを見せ、この試合の唯一の得点を見事にアシストした。

相手ディフェンダーを背負う難しい状況ながら、しっかりと周辺の味方選手の配置を把握し、最も得点につながりやすい、ゴール前中央でフリーで前を向いている伊藤純也に最高のお膳立てをした。

塩貝健人は、所属クラブで途中出場から多くの得点を決めている特殊能力の持ち主だ。北中米ワールドカップ前の最後のテストで滑り込みで初選出となったが、本大会のメンバー入りに向けてアピールした。

前田大然が初主将

今回の英国遠征では、本来のキャプテンである遠藤航(リヴァプールFC)が負傷で欠場のため、チームキャプテンは堂安律が務めることになった。

そして、スコットランド戦は、スコットランド・プレミアリーグのセルティックFCでプレーする前田大然がアームバンドを巻くことになった。所属クラブでもキャプテンを務めたことがなかったが、代表チームで大役を任されることに……。

スコットランドの名門クラブで活躍を見せる前田大然にとって、スコットランドでスコットランドを相手に試合をすることは、人生に一度あるかないかの凱旋試合だ。筆者がこの試合で前田大然が出場することを予想した通り、雰囲気づくりを重んじる森保一監督は泥臭い努力家のストライカーを大抜擢し花を持たせることを忘れなかった。

前田大全は本来の前線のポジションではなく、左ウインガーを務め、特徴である激しいプレッシングを見せた。(下に記事が続きます)

策士、森保監督の意図

この試合は、本来なら8人の交代が可能だったが、両チームの合意により11人の交代枠が設けられた。森保一監督は、フィールドプレーヤー全員を交代し、初選出を含む多くの若手選手を登用し、テストに余念がなかった。

同じ顔合わせでのプレー時間を増やしてチームを成熟させるというやり方も考えられるが、ギリギリまで選手を発掘する意欲を持ち続けている。

スコットランド戦では、負傷で招集を急きょ見合わせた安藤智哉(27)や道中で体調を崩した佐藤龍之介(19)をテストすることができなかったのは残念だったが、後藤啓介(20)、塩貝健人(21)、佐野航大(22)、鈴木唯人(24)、藤田譲瑠チマ(24)など多くの新戦力をテストすることができた。

日本は、これまでも2025年9月のメキシコ戦などで見せてきたように前線からのプレッシングを仕掛けた。体力を消耗する戦い方であり、交代枠が5人に減る本番で90分続けることができるかは定かではない。

スコットランドは堅守速攻のチームのため、後半にスペースがてきた際にカウンターアタックを狙っていただろうが、実際には選手交代により試合の強度が維持されたため、なかなか有効な攻撃を仕掛けることができなかった。

自由にやらせずに相手を封じ込めた日本の戦い方が機能したことは、ある程度評価できる。しかし、スコットランドに勝ったからといって、北中米ワールドカップ・グループFに入った堅守速攻型のチーム、チュニジア対策が万全だと考えてはいけない。

敵将は大量失点を覚悟

スコットランド代表のスティーブ・クラーク監督は、こわばった表情で現地インタビューに応じた。「今回のパフォーマンスからは、多くの得るものがあった。もう少しうまくやれる点がいくつかあった。あのような失点で試合を落としたのは残念。あの時点では、試合は0ー0の引き分けで終わるかと思われた。我々は間違いを犯した。おそらく前に出ていくのが少し早すぎた。バランスを崩して、そこで右サイドをやられて相手は得点した」

「非常にいいチームを相手に、よく守備をしたと思う。ボールをよく回してあちらこちらから顔を出し、我々に問題を生じさせることは分かっていた。これほどのロースコアの試合になるとは思わなかった。それは良かったこと」と苦笑いを見せた。

「我々にとって非常にいいチームだった。我々も良いプレーを多く見せることができた。本大会までに改善できる点もある。しかし、強豪相手には難しいものがある」

スティーブ・クラーク監督のコメントは、自虐的だが、日本代表の実力を認め最大限の敬意を払うものだった。サッカー発祥の地である英国の伝統ある代表チームの監督がこのようなコメントをすること自体が、日本サッカーの発展を物語るものだ。

ハムデン・パークには44,644人の観衆が詰めかけたが、スコットランド・サポーターのなかには、試合の途中で帰り始める者もいた。この行動には、単に退屈だと感じた場合の他にチームの方針への抗議の意味を込めることがある。スタジアムの様子も、まるでホームの戦いができなかったスコットランド代表の状況を反映するものだった。(下に記事が続きます)

森保監督「誰が出ても勝つ」

森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督コメント:誰が出ても勝つ、誰と組んでも機能することを考え、選手を順に入れ替えながら戦った中で、無失点に抑えることができ、最後に形を変えて点を取りにいって勝利に繋げることができました。ワールドカップに向けて自信となる勝利だったと思います。ただし、相手も色々と試しながら戦っていたと思いますし、我々も連係連動の部分ではスムーズではないところがありました。ワールドカップに向けてクオリティを上げていかなければいけません。

連係に関して言えば、攻撃も守備も大枠のチームコンセプトの部分は、選手はしっかりインプットしてくれて、プレーでも表現してくれました。ただ、言わば即席のような選手の起用の仕方もしていますし、イメージが合わないところもあったとも思いますが、チームとして同じ絵が持てているという点で、選手たちはよくやってくれました。

日本サッカー協会(JFA)のスコットランド戦マッチレポート

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