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【サッカー】日本代表、ボリビアに3-0。結果は完勝、内容は「苦戦」

サッカー キリンチャレンジカップ2025 日本代表 vs ボリビア代表 後半 町野修斗 (JPN) 国立競技場/東京都/日本 クレジット:川口浩輝/フォート・キシモト 2025年11月18日 Football KIRIN CHALLENGE CUP 2025 Japan vs Bolivia 2nd Half Shuto MACHINO (JPN) National Stadium/Tokyo/Japan Credit:Hiroki KAWAGUCHI/PHOTO KISHIMOTO 18/11/2025
キリンチャレンジカップ2025 日本代表対ボリビア代表戦でプレーする町野修斗=2025年11月18日、東京・国立競技場(クレジット:川口浩輝/フォート・キシモト )
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サッカー日本代表(FIFAランキング19位)は2025年11月19日、国立競技場(東京)でボリビア(同76位)と国際親善試合(キリンチャレンジカップ2025)を行い、3-0で下した。2試合連続の完封勝利となり、年内最後の試合を最高のかたちで締めくくった。

しかし、試合内容に目を向けると決して楽観できるものではなく、かなりの苦戦を強いられた。なぜ結果と内容にそのような乖離(かいり)が生まれたのか、南米の伏兵との一戦を振り返る。

目次

攻撃の形つくり3得点

試合は開始間もない4分に、キャプテン遠藤航が右サイドにボールを散らすと久保建英が右クロスを上げて、左サイドの鎌田大地が胸トラップから左足アウトにかけたシュートがゴール右に決まり、日本が先制(1-0)。

ディフェンスラインの頭上を越えてタイミングを合わせてつながる柔らかいクロスも、意図的に足を振りきってボールに回転をかけ、GKを避けていく軌道をつくったシュートも実にセンスを感じるものだった。そして、そのシュートの瞬間にも、次の攻守の動きのために最適なポジショニングを行っていた遠藤航も見事だった。

71分には、右サイドで堂安律がボールを受けると、中村敬斗が裏に走り込み右足でクロス。そしてゴール至近距離で町野修斗が詰めて日本が追加点を挙げた(2-0)。

78分には、瀬古歩夢が入れたくさびのパスに反応した上田綺世が、身体の重心を切り替えて相手と入れ替わって抜け出すと、中央の中村敬斗にショートパス。すると、背後から相手がチャージしているのを見越して右足裏でボールを引いてから股抜きシュートを放ち、ゴール左下に決めた(3-0)。

途中出場の中村敬斗が1得点1アシストと活躍した。瀬古歩夢は、所属するル・アーヴルACで守備的MFで起用されているだけあり、幾度となく後方から刺すようなパスを出す場面が光った。

ボール支配率47%

スコアだけを見れば完勝に見えるが、ボールポゼッション率は、ボリビアの53%に対して日本は47%と劣勢だった。試合序盤に得点したことで、日本は受け身になってしまった。日本も時折、チャンスをつくったが、ボリビアにポゼッションを強いて時間をやり過ごすのではなく、ボリビアにゲームをつくられていた。ボリビアの選手たちは、実にボール技術がしっかりしていた。

日本の4分の得点から71分の得点までは、ボリビアが主導権を握る時間が長かったのだ。シュート本数はボリビアの12本に対して日本は8本で打ち負けている。

枠内シュートに限定するとボリビアの0本に対して日本は6本と差がついた。しかしボリビアのシュートが全てあさっての方に飛んでいったというわけではなく、入ってもおかしくない際どいシュートがいくつもあった。

ファウル数は11対19で日本のほうが多く、苦戦を物語る。

森保一監督は、しっかりと守備をして相手にボールを持たせることを是としている。しかし、この試合では「持たせる」のではなく「持たれる」状況になっており、これは改善の余地が大いにあるだろう。(下に記事が続きます)

ボリビアは「日本的」なチーム

ボリビアは、全体の印象として日本と似た特徴を持つチームだった。体格的に必ずしも大柄ではなく、前からのプレスや守備のブロックを使い分け、巧みなパスワークを行い、統率がとれておりチームの成熟度が高い。

これは、ブラジルやアルゼンチンといった強国にチーム一丸で立ち向かうなかで培われたスタイルだ。高度なプレッシング戦術には、選手間の綿密な連携が不可欠だ。堅守速攻のパラグアイとは異なり、ボリビアはプレッシングとポゼッションのチーム。ホーム、ラパスの試合会場は海抜3500メートルを超える。富士山より高い標高のため、酸素の薄い高地で走り勝つことも意識していると考えられる。

ボリビアは、1994年アメリカ大会以来となる8大会ぶりの本大会出場をかけた北中米ワールドカップの大陸間プレーオフに進出しており、そこに向けたチーム調整に余念がなく、本番さながらの骨のある対戦相手だった。

史上初の日本代表100試合目、森保監督の采配

日本は67分、3人の選手交代を行った。久保建英に代わり町野修斗、小川航基に代わり上田綺世、南野拓実に代わり中村敬斗が投入された。

そして1つ目のプレーで、上田綺世が前線で相手選手に身体を当てながらボールを落とし起点を作る。そのボールを中村敬斗が右サイドスペースに大きく展開すると、後半開始から出場した堂安律が左足でクロス。中央に走り込んだ中村敬斗が相手選手をおびき寄せて、その裏の上田綺世が頭で合わせるもGKと交錯しボールは枠の外に外れた。

ゴールにはならなかったが、攻撃の選手交代直後のプレーで一気に日本側に流れをたぐり寄せた。史上初となる日本代表100試合目の采配となった森保一監督のすばらしいベンチワークだった。(下に記事が続きます)

遠藤フル出場、戦力2チーム分

キャプテンの遠藤航は、所属するリヴァプールFCでの出場が限定的だが、この試合で90分フル出場。成長著しい佐野海舟の黄金のような派手さはないが、危機を察知して芽をつむセンスが高く、試合の流れを読み背中でチームを導くいぶし銀の能力は、やはり簡単に真似できるものではないだろう。

2025年最後の国際試合となったが、大量の負傷者がいるのが常態化したのが幸か不幸か、多くの選手にチャンスが与えられ成長が促された。その結果として競争が激化し、日本は2チーム分が作れるだけの戦力ができてきた。

「この試合は1軍で戦い、次の試合は2軍で」という選手のローテーションではなく、相手チームの特徴や大会の先々の試合を鑑みて最適な選手をチョイスする入れ替え方が可能になった。それだけ同じポジション内の戦力が充実しており、選手の実力が拮抗して甲乙つけがたいものがある。

日本サッカー協会(JFA)のボリビア戦マッチレポート

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