サッカー2026年北中米ワールドカップの組み合わせ抽選会が2025年12月5日、米・ワシントンDCで開催された。日本代表(FIFAランキング18位)が入ったグループFは、オランダ(同7位)、チュニジア(同40位)、欧州プレーオフ・パスBとなった。未確定の1カ国は、ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアのいずれかで、3月に行われるトーナメントで決定する。このほど明らかになった組み合わせとともに、初期のシミュレーションを行う。
オランダ、過去3回W杯準優勝
初優勝を目標に掲げる日本代表は、想像していた以上に険しい道のりになってきた。
グループリーグを1位・2位で突破すると、トーナメント形式となるラウンド・オブ・32でグループC(ブラジル、モロッコ、スコットランド、ハイチ)の1位・2位と対戦する。
グループステージは、決して楽ではないが勝てない相手はいない、という印象だ。FIFAランキング最上位のオランダがグループを通過する有力候補だろう。2つ目の席を日本や欧州プレーオフ勝者が争うことになることが予想される。
オランダは、過去にワールドカップ3大会で準優勝した強豪国だ。成長著しい日本より、実績や底力は上だが実力は拮抗しており、引き分けは妥当な結果だ。オランダとの過去の対戦成績は1分2敗と日本は勝ち星がない。しかし、ゲームプランがハマれば、初勝利も夢ではないだろう。(下に記事が続きます)
オランダ代表:対戦成績は、日本の1分2敗。ロナルド・クーマン監督。キャプテンのフィルジル・ファン・ダイク(リヴァプールFC)やフレンキー・デ・ヨング(FCバルセロナ)など欧州のビッグクラブで主力として活躍するタレントが豊富だ。6勝2分の無敗でヨーロッパ予選・グループG首位となり本大会出場を確定させた。ワールドカップは1974年、1978年、2010年に準優勝しており、12度目の出場となる。ユーロ(欧州選手権)には11度出場し、優勝1度(1988年)。
チュニジアには5勝1敗
チュニジアには5勝1敗と日本が圧倒している。しかし、そのうち4試合は日本国内で開催されたもので、チュニジアの実力をこの額面通りには受け取れない。ワールドカップ・アジア予選で日本を苦しめた中東の強豪国のように、引いて守備を固めてくることが予想される。
深く引いた守備をどのように打開するかが課題となる。他の2カ国が欧州勢とあり、チュニジア相手に勝点3が欲しいところだが、守備を崩すことができなければ勝点1もありうる。絶対に避けなければならないのは、焦って攻め急いでカウンター攻撃を受けて敗れることだ。
チュニジア代表:対戦成績は、日本の5勝1敗。ジャレル・カドリ監督。アフリカ・ネイションズカップ優勝1度(2004年)。ワールドカップは、7度目の出場となる。過去3大会連続で出場しており、初のグループリーグ突破を目指す。
残る1カ国は欧州勢
残る1カ国はヨーロッパ勢となるが、プレーオフはトーナメントのため時の運もありどの国が勝ち上がってくるかはなんとも言えない。スウェーデンはヨーロッパ予選で振るわずFIFAランキング43位だが、底力はそんなものではない。ウクライナ、ポーランド、アルバニアの他の3カ国も競争が激しいヨーロッパで常に凌ぎを削っており、決して楽観視できない。どのチームと対戦することになっても、難しい試合になることだろう。しかし、グループを1位で突破するためには勝ちたい相手だ。(下に記事が続きます)
勝点4以上も視野
日本代表は細かい勝点の皮算用をするのではなく、1試合1試合で勝ちに行き、状況によっては試合終盤に引き分け狙いも可という戦いをすることを提案したい。日本代表が実力通りの力を出せば、1勝1分の勝点4以上を十分に狙える。
グループステージの戦いは、楽観視はできないが悲観的になる必要もないだろう。
2022年カタールワールドカップでは、ドイツやスペインという列強と同組となり、周囲からはグループ敗退が濃厚と目された。しかし、2026年大会のグループステージにそのような悲壮感が漂うことはないだろう。
決勝トーナメント1回戦が壁
問題はその後だ。グループFを1位か2位で勝ち抜くと見えてくるのが、グループCのブラジルやモロッコ。
ブラジルは日本に初黒星を喫してしまったばかりで、2連敗は国民が絶対に許してくれない。モロッコは、かねてアフリカの強豪国として知られており、アフリカ・ネイションズカップで2018年、2020年、2024年に優勝しメキメキと実力をつけている。イスラム圏での開催で地の利があったとは言え、2022年カタール・ワールドカップではベスト4に進出している。
ブラジルだけは、絶対に避けたいところだ。グループCを首位で通過してくることを想定し、日本はグループFで首位を目指したい。ブラジルは決勝戦にピークを持っていくためにグループステージでは力を緩めており、堅守のスタイルでもないため足元をすくわれることもある。せっかく日本が首位通過しても2位のブラジルと対戦するという悪夢もありうる。(下に記事が続きます)
グループ突破しても32強
グループステージを突破してくるのだから、どこも強豪国に決まっている。そう思うかもしれないが、これはまだ32強だ。前回大会のノックアウトステージは16強からだったが、2026年大会では出場国が32カ国から48カ国に拡大するからだ。
つまりは、前回であれば全ての出場国の数である32カ国が残っている段階で、ブラジルやモロッコと一発勝負をしなければならないというのは、かなり酷なものがある。日本代表のワールドカップ最高成績はベスト16だが、その壁を越えてベスト8、そして目指す優勝へと突き進んでいく勇姿を見せて欲しい。
しかし、その門番とばかりにグループCの強国が立ちはだかり行く手を阻み、前回を下回る32強で敗退というシナリオもありうると言わざるを得ない。
「あの時、ブラジルに勝っておかなければ、セレソンはもう少し油断していたのに……」というボヤキを後で言っても仕方がない。「あの時、ブラジルに勝って自信がついた」という後日談を聞きたいものである。
とにかくグループステージを首位で突破して、後は野となれ山となれだ。


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