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【ビーチハンドボール】めざせロス五輪正式種目!横浜の講習会に70人

ビーチハンドボール講習会に参加した70人=2024年7月20日、久保写す(以下すべて)
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ビーチハンドボールは2024年パリ五輪で正式種目にこそ選ばれませんでしたが、五輪中にパリでデモンストレーションが開催されました。国際ハンドボール連盟は2028年ロサンゼルス五輪での正式種目入りをめざし、意欲的にアピールしています。 神奈川県ハンドボール協会も2024年7月20日、横浜市瀬谷区のSAL SPORTS PARK横浜瀬谷で講習会を開きました。神奈川県立生田高校出身の柴田光陽と、東海大学出身でビーチハンド元日本代表の望月ちひろが、高校や大学のハンドボール部員たち約70人を指導しました。 

目次

講師は柴田光陽と望月ちひろ

GKの柴田光陽。ビーチの本場・オーストラリアでプレーしていた
GKの柴田光陽。ビーチの本場・オーストラリアでプレーしていた

講師の柴田光陽は大学卒業後にオーストラリアに渡り、ビーチハンドの魅力を知りました。日本に戻ってからも、ビーチハンドがさかんな浜松で暮らし、愛知で活動しているシースター東海でGKとして活躍するだけでなく、各地の練習会などにも積極的に顔を出しています。 

望月ちひろは東海大学時代にビーチハンドに触れ、日本代表にも選ばれています。大学卒業後もプレーを続け、愛知と関東の二拠点で活動するSWAGでは初代キャプテンに就任。チームを全日本ビーチ2連覇に導きました。現在は大阪の桜ノ宮ビーチを拠点とするラコルタ大阪でプレーし、若い選手にビーチの極意を伝えています。

圧倒的身体能力の大橋。豊田合成でプレーしていた時よりも体が引き締まり、体脂肪率9%に
圧倒的身体能力の大橋。豊田合成でプレーしていた時よりも体が引き締まり、体脂肪率9%に

さらには柴田のチームメートである大橋隆之も、愛知から参加しました。元豊田合成の大橋は日本リーグ引退後にビーチの魅力にはまり、高い身体能力を活かしたプレースタイルで、シースター東海の中心選手になっています。他にも女子チームのSWAGの選手が手伝うなど、ビーチハンドを愛する人たちが講習会を盛り上げていました。

「スペシャル守ろうぜ」ビーチらしさ習得

男子に教える柴田光陽(写真左)と大橋
男子に教える柴田光陽(写真左)と大橋

講習会の前半は、よくも悪くも「部活らしい」雰囲気でした。初めての競技を習うスタンスで、参加者は真剣そのもの。「BGMを用意しておけばよかったかな」との声もありましたが、ゲーム形式になったあたりから、プレーを楽しむビーチハンドボールらしい雰囲気が出てきました。

男子の指導は「習うより、慣れろ」。「細かいルールはあるけど、間違ってもいいから、やりながら覚えていこう」と、体を動かすことを優先させました。男子は身体能力が高いので、初めてでも空中で1回転するスピンシュートを難なくこなせます。GKの代わりに入るスペシャルプレーヤーのシュートが2点になるルールも、すぐに理解していました。ゲーム中には「1点じゃ、もったいないよ」、「スペシャルを守ろうぜ」といった、ポイントを押さえた声が出ていました。 (下に記事が続きます)

大学生「インドアと違う」楽しさ発見

ミドルシュートを放つ中田さん(写真右奥)は大学4年生
ミドルシュートを放つ中田さん(写真右奥)は大学4年生

なかでも積極的だったのは、県立横浜緑ヶ丘高校出身の中田遥大さん。大学4年生の中田さんは「ビーチハンドをやってみたい」と、今回の講習会に参加しました。高校生ともすぐに打ち解け、スペシャルプレーヤーになってミドルシュートを打つだけでなく、ポイントを押さえた声かけで雰囲気を作っていました。「思っていた以上に、種目として違いがありますね。インドアはなるべく早く点を取る。ビーチは2点を取るために、どう工夫するか。違いはありますけど、楽しかったです」と中田さん。初めての参加で、ここまでビーチの本質を理解してくれたら、講習会は大成功と言っていいでしょう。

女子もビーチの駆け引き表現

交代のスキを突いて、エンプティゴールを狙え! 女子を指導する望月(写真右)
交代のスキを突いて、エンプティゴールを狙え! 女子を指導する望月(写真右)

女子の方は講師の望月が一つひとつ教えて、シュートアウトまで教え切りました。セットカウント1-1の第3セットで行うシュートアウトは、サッカーのPK戦やインドアの7mスローコンテストにも似ていますが、GKスローからの速攻で行われ、相手のGKが飛び出してDFしてもいいなど、ビーチの駆け引きが凝縮されています。望月は「最初からチャレンジしてくれるし、頭のいい子たちだから、少し説明するだけで、プレーで表現してくれる」と、参加者の理解度に驚いていました。 

ビーチ日本代表のDF柴田がコツ指南

柴田万緒は日本の女子最高レベルのディフェンダー
柴田万緒は日本の女子最高レベルのディフェンダー

高校生同士のゲームのあとは、講師陣と高校生との試合が行われました。この日1日で上達した高校生でしたが、さすがにビーチハンド経験者にはかないません。一番の大きな違いは、DFでシュートコースを消せているかどうか。高校生はまだシャット(シュートブロック)に跳ぶタイミングが合わないので、望月たち講師陣は「流しの上(右利きのシューターから見て右上のコース)」に軽々と決めていきます。一方、講師陣はシャットで確実に「流しの上」を消しているので、高校生は簡単に打てなくて迷っていました。SWAGのDFの要で、ビーチの日本代表経験もある柴田万緒は「遠めは打たせない。近め(右利きのシューターから見て左側)はGKに捕ってもらう。これがDFの基本です」と言っていました。このDFの駆け引きを理解した人は、ビーチハンドの奥深さに夢中になります。

柴田「インドアにも生きる」

受講生を前に、生田高校OBであることをアピールする柴田光陽
受講生を前に、生田高校OBであることをアピールする柴田光陽

この日の主役である柴田は「思っていた以上に大人数の講習会で、喜ばしい限りです」と、講習会の盛況ぶりを心から喜んでいました。以前から望月と2人で「神奈川で講習会をやりたいね」と言っていましたが、コロナ禍などもあり、なかなか実行に移せずにいました。しかし生田高校時代の恩師である稲葉由香先生との縁からトントン拍子で話が進み、今回の開催にこぎつけました。

「この講習会の話をいただいたのは1カ月前で、急ピッチで話が進んでいきました。参加した高校生はちょっと教えれば、みんなで話し合ってやれる。話し合うのは、高校生の部活でとても大切なことです。7月はインターハイ予選が終わって、秋の新人戦まで少し時間があるから、この時期にチームビルディングを兼ねて、ビーチをやるのもいいんじゃないかな。絶対にインドアにも生きるし。神奈川で講習会をやれてよかった。感慨深いですね。稲葉先生は最高の恩師です」。おしゃべりで人懐っこい柴田らしいコメントです。

今回の講習会を通じて、ビーチハンドでロサンゼルス五輪を目指す選手が増えるといいですね。インドアよりも接触が少なく、開放的な雰囲気を楽しめるビーチハンドは発展する可能性を秘めています。

柴田光陽 1995年生まれ、神奈川県川崎市出身。ポジションはGK。神奈川県立生田高校では稲葉由香監督(当時)にハンドボールを教わる。大学卒業後は語学力を生かしてオーストラリアで働き始め、ビーチハンドボールの魅力に目覚める。日本に帰国後はビーチハンドが盛んな静岡県浜松市に住み、所属するシースター東海の練習だけでなく、各地の練習にも積極的に顔を出している。「一度会った人の記憶に残るように」と、普段は髪の毛を鮮やかに染めている。今回は恩師に会うので、髪の色はおとなしめだった。

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