札幌市が2014年から9年間に渡って続けてきた冬季五輪・パラリンピック招致から完全に撤退しました。2021年の東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職や談合事件で国際スポーツ大会招致への信頼は地に落ち、札幌市やJOCは国民を納得させる大会開催の意義を伝えられず、市民の開催支持も伸び悩んだことが響きました。五輪をはじめ、国際スポーツ大会招致に対する世論の風当たりはいま、かつてないほど強まっていると感じます。
札幌五輪撤退の逆風下、ビッグニュース
そんな逆風が吹く北海道のスポーツ界で先週、ビッグニュースが駆け巡りました。札幌五輪を撤退した同じ北海道を舞台に、トライアスロンの国際大会が来夏、開催されることが発表されたのです。2024年9 月15日に道南の函館市の隣町、北斗市、木古内町で開催される「アイアンマンジャパン・みなみ北海道」。津軽海峡を望む函館湾内を泳ぎ、見晴らしの良い海岸線をバイクで駆け抜け、北海道新幹線の駅がある木古内町の役場前がランのフィニッシュ。そんなアイアンマンジャパンの9年ぶりの日本開催が、「はこだて観光大使」でもある私の地元に来夏、やってくるなんて!12月19日から出場者のエントリーが始まっています。
五輪競技でもあるトライアスロンは五輪の場合、短縮版の「オリンピックディスタンス」(総距離51.5km(スイム1.5km、バイク40km、ラン10km)で行われますが、この大会は9年ぶりに日本で開催されるフルディスタンス(スイム3.8km、バイク180km、ラン42.2km)による正真正銘の「アイアンマンレース」です。海外からの約200人を含む選手1500人、ボランティアなど関係者1400人の参加を見込まれるビッグイベントになりそうで、構想から関係各所との様々な交渉を経て、実現にこぎつけるところまできた大会関係者の努力が実りました。
レースディレクター「東京2020の経験いかす」
この大会のレースディレクターを務める綱島浩一さんは、Pen&Sports [ペンスポ] 編集長の私と東京2020大会組織委員会在籍時の同僚でした。直接、業務で関わることはありませんでしたが、綱島さんが経営する株式会社コージアンマインドのホームページを訪問すると、沿革・略歴のなかに、こんな決意表明がありました。「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の企画や運営にも携わり、国際大会の開催意義や困難な状況でもやり遂げた経験を、社会に還元したいという志を胸に抱きながら、これからの未来に向かって、帆を上げて進んでいきます」。
有言実行で「アイアンマンジャパン・みなみ北海道」の構想から実現に邁進する綱島さんに敬意を表し、私自身もペンで、スポーツ本来の価値を照らしていく決意を新たにしています。
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