【編集長コラム】中間選挙直後のテキサス、変化の風を目の当たり

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台湾大手・エバー航空で台北経由、米テキサス州ダラスに来ています。「トランプ政権の共和党惨敗」と伝えられた中間選挙の投開票日から一夜明けた2026年11月4日、ダラス市街地St. Paul駅近くにある小さなホテル「SOVA micro & social Hotel」にチェックインしました。

「おう、俺と同い年じゃないか!」

夜11時過ぎ、ホテルのチェックイン手続きで私のパスポートをみて、気さくに迎えてくれたのは、受付係のRichard(リチャード)です。元広告会社勤務で、DJとしても世界を巡り、2005年には東京にも行ったことがあると話した彼は人なつこく、ホテル1階にあるこじんまりとしたラウンジバーのバーテンダーも兼ねています。
「長旅お疲れさん。まずはテキサスビールでも飲むかい?」

今回のホテルはSocial Hotel (社交ホテル)と名前がついているだけに、アットホームでいい感じです。

リチャードにすすめられるがまま受け取ったのは、テキサスが誇る伝統ラガービール「Shiner BOCK(シャイナーボック)」のボトル。その深いコクを味わっていると、カウンター越しに彼が改めて私にこう声をかけてきました。

「ブルー(青)に変わったテキサスへ、ようこそ」

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赤の牙城ひっくり返す

それは、ダラスの秋晴れの青空のことでもなく、今年のFIFAワールドカップ北中米大会で、日本の「サムライブルー」がここダラスのスタジアムで魂を揺さぶるプレーを見せた、あの熱狂の記憶でもありません。

街の話題は今、ひとつの強烈な「青への反転」で持ちきりなのです。

テキサス州は長年にわたり、トランプ大統領率いる共和党の絶対的な牙城とされてきました。保守派の強固な地盤であり、そのイメージカラーから「レッドステート(赤い州)」と呼ばれてきた州です。それが今回の中間選挙では、地殻変動を起こしたかのように民主党(イメージカラーは青)の圧勝へと塗り替わったのです。

連邦議会上院選では、元教師の民主党ジェームズ・タラリコ氏の当選が確実となり、全米のテレビニュースが一斉にその快挙を報じています。

さらに、同じ日に行われたテキサス州知事選でも歴史が動きました。4期目を目指した共和党の現職を破り、勝利を収めたのは民主党の女性下院議員ジーナ・ヒノホサ氏。テキサス州で民主党の知事が誕生するのは36年ぶりで、ヒノホサ氏は同州初のラテンアメリカ系(ヒスパニック)女性知事という、二重の歴史的快挙を成し遂げました。

メキシコ国境の街で生まれ育ったヒノホサ氏。「出身地がどこであれ、どんなに質素な生い立ちであれ、その人生は夢よりも大きなものになり得ます 」。ローカルニュースから繰り返し流れる勝利宣言に勇気をもらいます。

路面電車に流れる二つの言語

テキサス州は米国で2番目に人口が多い広大な州で、人口の3分の1をヒスパニック系が占めています。ダラス市内を走る公共交通(DART)の路面電車やバスに乗り込むと、車内には英語に続いて、滑らかなスペイン語のアナウンスがごく自然に流れています。

街で人気のタコス屋はタコス2つと飲み物と最も安いコンボでさえも13ドル(約2000円)は下りません。トランプ政権が推し進める関税政策や、対イラン戦争が引き起こした物価高への根深い不満、そしてあまりにも強硬な移民政策へのフラストレーション。有権者の大多数がそれらにNOを突きつけ、トランプ支持から離反したことを今回の選挙結果ははっきり示しているのです。

この街に吹く新しく、そして力強い変化の風に打たれて、私自身もまた、この取材旅行をターニングポイントにして「変化」への旅に一歩、踏み出してみよう。そう感じています。

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