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【サッカー】チュニジア新監督に元フランス代表ラムシ氏。W杯、6/20日本戦に照準

チュニジア代表監督に就任したサブリ・ラムシ氏。2014年FIFAワールドカップではコートジボワール代表を率いた=2014年6月19日the Estadio Nacional in Brasilia, Brazil. (Photo by Press Association/AFLO)
チュニジア代表監督に就任したサブリ・ラムシ氏。2014年FIFAワールドカップではコートジボワール代表を率いた=2014年6月19日、エスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリアで(写真:Press Association/アフロ)
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サッカー日本代表が2026年北中米ワールドカップのグループFで対戦するチュニジア代表の新監督にサブリ・ラムシ氏(54)が就任した。新たな体制で本大会に臨むカルタゴの鷹は、半年の間にどのような変貌を遂げるのだろうか。これまでの経緯を踏まえて展望する。

目次

前任者解任から10日、スピード組閣

チュニジアサッカー連盟(TFF)が男子代表チームの新監督としてサブリ・ラムシ氏を招へいしたことを発表したのは2026年1月14日のことだった。チュニジア代表は、モロッコで開催されたアフリカ・ネイションズ・カップ2025の16強で敗退する不覚を取り、翌1月4日サミ・トラベルスィー監督(57)をはじめ全てのテクニカルスタッフの契約解除を発表、指揮官の後任にラムシ氏を抜擢した。

新体制の樹立まで10日間というスピードだ。契約期間は2028年7月31日までとなっている。

なかなか調子が上がらない代表チームを憂慮して、チュニジアサッカー連盟が抜本的に立て直す計画を水面下で周到に進めていたことは、まず間違いないだろう。

ワールドカップで指揮を取ることになるサブリ・ラムシ氏とは、一体どの様な人物なのだろうか。(下に記事が続きます)

パルマで中田英寿氏とプレー

チュニジア出身の両親のもとにフランス・リヨンで生まれ重国籍だが、チュニジア代表の招集要請を拒み、後にフランス代表として12試合に出場した。

現役時代は、主にミッドフィルダーとしてプレー。フランス・リーグのASモナコなどを経て、当時世界最高峰と言われていたイタリア・セリエAに移籍。パルマ時代には元日本代表MF中田英寿氏と共演した。インテル・ミラノでは後に日本代表監督に就任したアルベルト・ザッケローニのもとでプレー。時期こそ異なるが、カズこと三浦知良がかつて所属したジェノアにも在籍した。

フランスに戻りオリンピック・マルセイユでプレーすると、現役晩年はカタールで過ごし、いわゆるエリート選手である。(下に記事が続きます)

2014W杯、コートジボワール率い日本破る

2009年に現役引退すると指導者に転身。2012年にコートジボワール代表監督という大役に大抜擢される。主だったチームの監督を務めるのはキャリア初のことだったが、2014年ブラジル・ワールドカップ出場権を獲得。本大会では、コロンビア、ギリシャ、日本と同じグループCに入った。

日本、コートジボワールの両チームにとって重要なグループの初戦で対戦した。本田圭佑の得点により日本が先制したが、62分にレジェンドのディディエ・ドログバが途中出場するとピッチの空気感が一変し、64分、66分と立て続けに日本は失点しコートジボワールが勝利した。コートジボワールの2得点は、いずれも右サイドからのアーリークロスを頭で合わせたものだった。

続く2試合目をコートジボワールはコロンビアに1-2で落とすと、ギリシャにも1-2で敗れ勝点3でグループ3位となり、決勝トーナメント進出はならなかった。一方、日本はギリシャに0-0で引き分け後がなくなると、コロンビアに1-4の大敗を喫して僅か勝点1のグループ4位という残念な結果となった。

サブリ・ラムシ氏はその後、フランスのスタッド・レンヌ、英国のノッティンガム・フォレストFCやカーディフ・シティFCのほか、カタールやサウジアラビアのクラブで指揮をとりさらに経験を積んだ。

つまるところ、チュニジアのサブリ・ラムシ氏の招へいは、彼の指導者キャリアを評価し、日本に対する必勝体制を整えたということだろう。(下に記事が続きます)

冷静沈着なモチベーター

コートジボワールが日本を倒した試合は、参考資料にはなるが当時の通りにサブリ・ラムシ氏がゲームプランを組むことは考えられない。

当時のコートジボワールは日本より実力が格上でフィジカルでも圧倒していた。12年が経過し、対戦するチュニジアは日本より実力はわずかに下だろう。コートジボワールとチュニジアは同じアフリカの国とはいえ、選手の特徴や国民性は大きく異なる。

では、サブリ・ラムシ氏は日本戦に向けてどのような計画を練っているのだろうか。

現役時代のサブリ・ラムシ氏は小柄で運動量が豊富で、技術と戦術眼に優れたポリバレント(複数のポジションをこなせる)なミッドフィルダーだった。

指導者としては、一つのことに固執するのではなく戦術的に柔軟でボールポゼッション、ハイプレス、ダイレクトプレー、素早いトランジション(切り替え)、コンパクトな守備など、様々なスタイルを駆使して相手の攻略を目指す。これまで4-1-4-1、4-2-3-1、4-3-3といったシステムを多用してきたが、選手の位置を固定するよりも状況に応じて流動的な戦い方を好む。

チームの集団としての規律を重んじて、格上の相手に対しては、現実的で堅固な守備を敷きカウンターアタックを重視する。

チュニジアの日本対策は、堅守速攻が定石だと考えられる。その戦略を遂行するうえで、サブリ・ラムシ氏はまさに適任といえるだろう。

冷静沈着で優れたモチベーターであり、不調のチュニジアを短期間で蘇らせるカンフル剤になりうる。(下に記事が続きます)

チュニジアの周到な日本対策

ポット3でグループFに振り分けられたチュニジアサッカー連盟の腹の中を覗いてみよう。

ポット1オランダとの実力差は歴然で分が悪く、引き分けられれば大成功。ポット4の欧州プレーオフ・パスBは3月に結果が出るまでウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアのどの国になるか分からない状況ながら、いずれにしても欧州勢で手強いことは間違いない。

ポット2の日本との実力差はオランダほどではなく対策することで成果が見込めて、適任の監督もフリーの状態で首尾よく獲得することができた。

つまり、チュニジアのワールドカップ戦略は、日本攻略を中軸に据えているのだ。

対するサムライブルーは、チュニジアの手堅い守備をどのようにこじ開けるのか。日本は、システム変更や選手の入れ替えでミスマッチを生じさせてチュニジアサイドを混乱に陥れることで勝機を見いだせる。

森保一監督もきっとサプライズを温めているだろう。メキシコ・モンテレイにて6月20日午前10時(日本時間21日午後1時)にキックオフのチュニジア戦に期待しよう。

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