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【サッカー】日本人初プレミア二桁得点の三笘薫 | 絶頂期はビッグクラブで

今季10点目を左足ボレーで決めたブライトンの三笘薫=2025年5月19日、写真:AP/アフロ
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サッカー日本代表MF三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC)は、日本人選手で初となるイングランド・プレミアリーグ二桁得点を2024-2025シーズンに達成した。華やかなプレーを披露し、日本はもちろんイングランドでも人気を博している。そんなアタッカーのこれまでのプレミア挑戦を振り返り、今後について展望する。

目次

日本人ダービーのリヴァプール戦で10得点目

5月19日に行われたリヴァプール戦の65分に途中出場した三笘は、早速69分にペナルティエリア内にラストパスを出すと、味方のシュートをGKが弾いたセカンドボールに走り込み体を倒しながら左足ボレーで合わせ同点に。三笘は、85分の逆転弾の起点にもなり、結果は3-2でホームのブライトンが勝利した。

77分からは、遠藤航が右フルバック(サイドバック)として途中出場し、左ウインガーの三笘とがっぷりマッチアップ。日本のファンにとって、記憶に残る試合となった。(下に記事が続きます)

2024-2025シーズン最優秀ゴール

英国公共放送BBCは、2024-2025シーズン最優秀ゴールに三笘の得点を選出した。

2月14日ホームのチェルシー戦27分の先制点の場面。オランダ代表GKバルト・フェルブルッヘンからの60メートルはあろうかという前方へのロングボールに走り込む三笘。吸い付くような右足のトラップで勢いを殺すと、ボールが地面に1バウンドする瞬間に右足アウトサイドで相手DFをかわし、枠の右を狙いすまして右足ミドルシュート。この見事な得点は、プレミアリーグ月間最優秀ゴールも獲得した。

所属するブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCの年間最優秀ゴールにも選ばれており、クラブの表彰式で三笘は謝辞を述べた。「この得点はキャリアで最高のゴールの一つ。チームメイト、特にバルトにお礼を言いたい。このボールは最高だった。本当にありがとう、バルト。このようなゴールをもう一度決めることは、できないと思う。いつもブライトンや日本からのエネルギーあふれる多くのサポートに感謝している。どうもありがとう」

重要な局面で得点

これで、クラブの年間最優秀ゴールは2季連続の受賞となる。

2023年8月19日アウェイのウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ戦の15分の場面。エクアドル代表DFペルビス・エストゥピナンからのパスを左タッチライン際で受けると、三笘はゴールに向かって約40メートルをドリブルし、あれよあれよという間に4人を突破。そしてGKと1対1になると右足でゴール右に狙いすまして先制点。この試合にブライトンは4-1で勝利した。もしGKまで抜いていれば、ディエゴ・マラドーナの伝説の5人抜きのようなシーン。プレミアリーグ月間最優秀ゴールにも選出された。

プレミア挑戦1年目にも、印象的な得点を決めている。2023年1月29日にホームで開催されたFAカップ4回戦で、ディフェンディングチャンピオンのリヴァプールを相手に90+2分に三笘が決勝弾を決め、ブライトンが2-1で劇的な逆転勝利。フリーキックを左サイド深い位置で受けたペルビス・エストゥピニャンのクロスを右足でトラップした三笘は、シュートすると思いきや内側に切り替えてタイミングをずらすと、そのまま右足アウトサイドでゴールに流し込んだ。空中のダブルタッチに翻弄されてリヴァプールの選手たちは完全に死に体になっており対応することができなかった。

これらのゴールは華麗なだけでなく、同点弾や先制弾、決勝弾といった試合の重要な局面で決めたものだった。(下に記事が続きます)

イングランドでの3季 堂々の実績

プレミアリーグに来てからの三笘のデータを見てみよう。得点は確かにしているが、そこまで騒ぎ立てるほどではないと思う人もいるだろう。

しかし、三笘のポジションはウイングだ。常に得点を狙ってゴール前に陣取るストライカーではなく、激しい上下運動が伴うサイドでチャンスをつくり守備に奔走する。そして、所属するブライトンは中堅クラブで、試合によっては守備にまわる時間が長くなる。

そのなかで二桁得点は誇れる数字だ。実際のところ、2024-2025の10ゴールはクラブ最高得点タイだ。三笘は得点を取る意識が高くなってきている。

2023-2024シーズンは怪我に泣き数値が伸び悩んだが、3年間でしっかりと結果を残している。

三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC)データ

2022-2023

  • プレミアリーグ33試合7得点7アシスト
  • 公式戦41試合10得点9アシスト

2023-2024

  • プレミアリーグ19試合3得点6アシスト
  • 公式戦26試合3得点7アシスト

2024-2025

  • プレミアリーグ36試合10得点4アシスト
  • 公式戦41試合11得点4アシスト

欧州全土が注視

三笘はサイドアタッカーとして、プレミアリーグにとどまらず、ヨーロッパ全土から注目を集める存在になっている。

三笘は筑波大を経て2020年にJ1川崎フロンターレ入団でプロ入りしており、トントン拍子でステップアップしてきて28歳になった。プレミア中堅クラブの選手としてビッグクラブを翻弄できることは、すでに証明された。

ブライトンの成績は1年目の2022-2023シーズンがプレミアリーグ6位(勝点62)。2023-2024が11位(勝点48)。2024-2025が8位(勝点61)だった。これは、周囲の期待値からすると、まずまずの成績だろう。しかし、同じ順位でもプレミア6強であれば、サポーターは失敗のシーズンだとみなすはずだ。

今後の数年間は選手として一番、脂がのった時期になる。ビッグクラブで活躍してヨーロッパ主要リーグや欧州チャンピオンズリーグといったメジャータイトルを獲得する姿を見たいというファンも多いことだろう。三笘は、2023-2024シーズンにヨーロッパリーグ6試合に出場し16強に進出しているが、欧州CLはまた別格だ。

ブライトンとの契約が残っており、クラブ間の交渉が成立するかにもよるため実現するかはなんとも言えないが、ビッグクラブが欲しいと思うような実力を蓄えていることは間違いない。(下に記事が続きます)

世界のスター選手との絡みで伝説的なプレーを

三笘の特徴は、なんといっても攻撃力だ。ドリブラーとして認知されているが、相手を引き付けてのパス出しやダイレクトパスのセンスもある。右足アウトサイドで上げるクロスやスルーパスは天下一品。キレのあるパスで相手の気を散らすことができるので、ドリブルで崩すプレーもさらに生きてくる。

攻撃の時間帯が長くなる有力クラブのほうが、三笘のスペクタクルなプレーをもっと見ることができるに違いない。また、ワールドクラスのスター選手たちとの絡みで、伝説的なスーパープレーが量産されることが期待できる。

日本が誇る稀代のドリブラーが、プロキャリアの行方を左右する重要な局面を迎えている。

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