ホッケージャパンリーグ(HJL)が持続的な競技運営と、地球環境を守るための新たな取り組みに着手した。女子のさくらリーグがレギュラーシーズン終盤を迎えた2025年6月21日、3試合が行われた会場の駿河台大学ホッケー場(埼玉・飯能市)で「森へ恩返し」しようと、試合後に植樹式が開催された。かつては木製スティックで長年プレーされてきたホッケー。近年は人工芝のフィールドに均一に「散水」することで、選手を摩擦によるやけどから守る一方、ボールを滑らせてスピーディーな試合展開が実現できている。スティック用に伐採されてきた「木」と競技に不可欠な「水」をはぐくむ「森」に報いる行動は、世界のホッケー界でも”Give Back to Forest イニシアティブ”として、広まりつつある。
「森林文化都市」宣言の飯能市で

今回の植樹は、HJLに参戦して10年の節目を昨シーズン迎えた駿河台大学 LADY BIRDSの選手らが見守る中、ホッケージャパンリーグ(HJL)の齊藤恵理称・常務理事と駿河台大学の山﨑志保理事長がスコップで苗木の下に土を盛って執り行われた。
駿河台大学のキャンパスがある埼玉県飯能市は「森林文化都市」を宣言し、江戸時代から林業で栄えてきた街として知られる。ホッケージャパンリーグ(HJL)が、市域の75%を森林が占めるこの飯能市を舞台に「森へ恩返し」のアクション第一弾を展開したことにも親和性があり、象徴的なシーンとなった。
ホッケージャパンリーグ(HJL)は今後も全国で同様の植樹を継続していく計画がある。同リーグの齊藤恵理称・常務理事は「スポーツから自然への恩返しという意識を育むことは、環境への責任と共生の精神を次世代へとつなぐ重要な一歩です。そして、ホッケーが単なる競技を超え、社会や地域に根ざした持続可能な活動へと広がっていくことは、ホッケー界全体の信頼と社会的価値を高めるものです。この活動が、ホッケーファミリーの輪をさらに広げ、スポーツを起点とした持続可能な社会づくりの一歩となることを、心から期待しています」と話した。
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FIH会長「未来の世代にレガシー残す」
ホッケー界の「森へ恩返し」の活動は世界的な潮流でもある。今回の植樹式は、国際ホッケー連盟(FIH)のタヤブ・イクラム会長が提唱して2023年に始まった『Give Back to Forest』イニシアティブの流れを汲むプロジェクトで、ホッケージャパンリーグ(HJL)もホッケーファミリーの一員として賛同して実現した。これまでインド、中国、ウルグアイ、オマーン、ポーランドなどで、すでに数十万本の木が植樹されている。
FIHのタヤブ会長は「ホッケーが数十年間木製スティックでプレーされてきたため、これらのスティックの製造のために伐採された木々を補うために新しい木を植えることは当然のこと。私はすべてのホッケー関係者にこのプロジェクトに参加し、木を植えるよう呼びかける。これにより、私たちは未来の世代に大きなレガシーを残すことができる」と話している。
森の恵みがあってこそ、ホッケーの未来がある。
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