パリ五輪が開幕する2024年7月に入りました。開会式まであと25日です。世界4か国を転戦しながら、40日間に及んだバレーボールの国際大会、ネーションズリーグ(VNL)もようやく決着がつきました。男子バレーボールの日本代表は2024年6月30日(日本時間7月1日)、ポーランド第3の都市ウッチで行なわれた決勝で、フランスにセットカウント1-3(23-25, 25-18, 23-25, 23-25)で敗れて銀メダルでした。東京五輪金メダルで、地元開催のパリ五輪で2連覇を狙うフランスにあと一歩及ばなかったものの、主要国際大会では1977年ワールドカップバレー以来47年ぶりの2位。毎年開かれるVNLで日本男子は、2021年11位→2022年5位→2023年3位→2024年2位と順位を上げてきています。間違いなく歴代最強の日本男子は、今月開幕のパリ五輪でも表彰台を狙える力があることを証明しました。
石川に襲いかかる徹底マーク
今大会のベストアウトサイドヒッター(個人賞)を受賞した石川祐希は現地報道によると「チームを勝たせられなかったことは悔しい」とコメント。それでも、「今回は銀メダルで終わったので、次こそは金メダル。それを目指せるチームだと思う」と自信を深めました。
日本男子が出場できなかった2016年リオデジャネイロ五輪。中央大学3年だった石川が日本バレーボール協会(JVA)の強化方針の一環で、世界レベルのバレーを観戦するためだけに、リオの会場に派遣されていたのを思い出します。私はそれを記者席から観ていました。それから8年。石川は世界の決勝のコートで最多得点をたたき出すプレーヤーに成長しました。
ただフランスとの決勝終盤は相手ブロックの徹底マークに遭い、シャットされる場面も目立ちました。VNLの福岡・北九州ラウンドからほぼすべての試合のコートに立ち続けてきたエース石川のアタックはその活躍の一方で、世界の強豪から研究しつくされ、丸裸にされています。パリ五輪でも、相手国は執拗な「石川対策」を打ってくるでしょう。VNL決勝ラウンドでリザーブに回った高橋藍の復調はもとより、ミドル攻撃の多用など、石川以外の得点源が機能することが、パリ五輪では求められると改めて感じました。
しっかりと休養を 日本女子のオフは4日だけ
もう一つの懸念はパリ五輪に向けた「ピーキング」です。パリ五輪開会式翌日の7月27日にサウス・パリアリーナで競技が始まるまで、もう4週間を切っています。VNLで決勝まで進んだフランス、日本の2チームは五輪まで最も短期間での仕上げが求められることになります。
同じくVNL決勝でイタリアに敗れた日本女子はその後、たった4日間のオフを挟んだだけで再合流したと聞きます。一方、イタリア女子チームは解散して1週間以上のバカンスでリフレッシュしたとか。パリ五輪直前までこれほどの過密日程で真剣勝負を繰り広げている競技はバレーボール以外にありません。日本男子もしっかり休養して、体をケアして、勝負のパリ五輪へ英気を養ってほしいと思います。
※ペンスポでは7月12日にはバレーボール女子日本代表、15日には男子代表のオンラインイベントを開きます。ぜひご参加ください。
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