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【ハンドボール】アルバモス大阪が「リーグH」参入。なにわの個性派、狙いは6位

アルバモス大阪
リーグHに新規参入するアルバモス大阪のメンバー=2024年7月、大阪府高石市で(多田写す、以下すべて)
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ハンドボールの国内トップリーグ・日本ハンドボールリーグ(JHL)は2024年9月、新名称「リーグH(エイチ)」としてスタートする。新たに参入するのが、大阪を拠点とするアルバモス大阪だ。「圧倒的熱量」を掲げる元・日本代表の銘苅淳(めかる・あつし)監督のもと、海外でプレーした徳田廉之介ら個性的なメンバー・スタッフが集まっている。ゼネラルマネジャー(GM)の錦見綾(にしきみ・あや)さんもその一人で、「9月21日のホーム戦(エディオンアリーナ大阪)を多くの観客で埋める」と決めて奔走している。

目次

練習は中学校の体育館

アルバモス大阪の練習場は高石市の中学校体育館
アルバモス大阪の練習場は高石市の中学校体育館。しゃがんで見守る錦見GM(中央奥)
アルバモス大阪の銘苅淳監督
アルバモス大阪の銘苅淳監督

午後7時半。大阪府高石市の住宅街にある中学校体育館から明かりが漏れる。自転車の列のわきを通って階段を上がると、駆け回る足音が聞こえてきた。引き戸を開けると前の所属チームを含め、バラバラのTシャツを着た選手たちが汗を流していた。

選手の多くは高石に引っ越してきた。昼間はチームを応援する企業に勤め、夕方になると自転車で体育館に通う毎日だ。中心は新卒3年目ぐらいの選手たち。徳田をはじめ、JHL大崎電機で11年プレーした大阪出身の植垣健人、アースフレンズBMから山﨑智之、清水裕翔ら移籍選手もそろった。「チームは生き物なので、20代の選手を鍛錬して、個人の能力を高めていく」と銘苅監督は話す。「こういうクラブチームが増えることが、日本のハンドボール界のためになる」と力を込める。(下に記事が続きます)

徳田廉之介「プレーオフ出場が使命」

チームの柱として活躍が期待される徳田廉之介
チームの柱として活躍が期待される徳田廉之介

活躍が期待されるRB徳田は山口県出身の26歳。筑波大学在学中の2019年からポーランド1部でプレーした。世界最高峰のブンデスリーガ(ドイツ1部)リュベッケをへて、2023-2024シーズンはポーランド1部ザブジェに所属、2023年10月のパリ五輪アジア予選までは日本代表に選ばれていた。兄はパリ五輪に日本代表で出場した徳田新之介(カタール・アルドゥハイル)だ。

徳田は「欧州はミスを引きずらず、いい意味で切り替えができるようになった。欧州でのプレーも考えたが、日本に帰るなら、銘苅監督のアルバモス大阪と決めていた」。いちばんの課題は「体を使ったディフェンス」を挙げ「プレーオフに出るのが僕の使命。行くためには6位になることが目標だが、正直、いまの状態では厳しい。守れるチームにならないといけない」と話した。(下に記事が続きます)

応援歌の作詞・作曲もGM

アルバモス大阪の錦見綾GM。現役のシンガーソングライターでもある
アルバモス大阪の錦見綾GM。現役のシンガーソングライターでもある

GMの錦見さんは名古屋市出身で、中学・高校とハンドボール部。JOCジュニアオリンピックカップの愛知代表だった。慶応大学環境情報学部の学生時代はハンドならぬバンド活動に打ち込み、シンガーソングライターとして現在も活動している。慶応義塾幼稚舎で情報の先生をするかたわら、スポーツ庁のハイパフォーマンス・サポート事業にかかわり、7人制ラグビーや卓球、パラ水泳などのサポートをしていた。大学時代の恩師の紹介がきっかけで「アルバモス大阪の第1号のファン」になったという。

GMとしてのメーンの仕事はホーム戦の運営や営業だが「ボールを買うところからやっていて、広報・法務・総務、何でもしています。驚くぐらい大変」と話す。リーグのルール通りの要件を満たすため、他チームのGMに教えてもらうことも多いという。シンガーソングライターだから、チームの応援歌も自らの作詞・作曲で制作中だ。いつもは大阪市内のオフィスにいるが極力、高石の体育館に足を伸ばす。「練習を見ると元気が出ます。美しいし、自分が何のために奔走しているのか、立ち戻れる場所です」。

「選手たちはハンドボールをしたいという純粋な思いがあって『自分はやれる』と、自分に期待している。ちゃんと自分の人生を選択した人たちが、ハンドボールをやれる環境をつくりたい」と、銘苅監督に劣らず思いは熱い。

ハンドボールの魅力について「どんな球技より楽しいって思うんです。すぐに笛が鳴って止まっちゃうイメージがあるかもしれませんが、スピーディーでダイナミックで、みせるプレーがあって。コンタクトプレーがあって迫力もある。運動神経だけでなく、瞬時にパスを送る判断なんかはあって、究極のコミュニケーションスポーツだと思います。ぜひ生で観戦してほしい」と話している。

リーグH:男子14チームが参加

リーグHは男子は14チーム、女子は11チームが参加する。いずれもホーム&アウェー方式の総当たりでレギュラーシーズン(2024年9月6日~2025年5月25日)を開催、男子は上位6チーム、女子は5チームがプレーオフに進出する。

アルバモス大阪は2023年3月に結成、2024年2月には9チームが参加する「チャレンジディビジョン」(日本ハンドボール協会、JHL主催)で優勝した。ホームアリーナは大相撲春場所が開かれる「エディオンアリーナ大阪」(大阪府立体育会館、最大1万人収容)。ホーム初戦は9月21日で、大崎オーソル埼玉を迎える。リーグHに新規参入するのはアルバモス大阪だけで、関西の男子ハンドボールチームがトップリーグ入りするのは42シーズンぶりという。

チーム名参入年(JHL、2部/前身チーム含む)
トヨタ自動車東日本レガロッソ宮城2012
大崎オーソル埼玉1976
ジークスター東京2020
アースフレンズBM東京・神奈川2022
富山ドリームス2023
福井永平寺ブルーサンダー1992
豊田合成ブルーファルコン名古屋2000
大同特殊鋼 Phenix TOKAI1976
トヨタ車体ブレイヴキングス刈谷1979
アルバモス大阪2024
安芸高田わくながハンドボールクラブ1976
ゴールデンウルヴス福岡2019
トヨタ紡織九州レッドトルネードSAGA1995
琉球コラソン2008
リーグHの公式Xより

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