サッカー日本代表は2026年3月31日(日本時間4月1日)、英国ロンドンのウェンブリースタジアムでイングランド代表(FIFAランキング4位)と国際親善試合(キリンワールドチャレンジ2026)を行い、1-0で大金星を挙げ、これまで4試合の対戦で史上初の勝利となった(1勝1分2敗)。
速攻で先制
試合は23分にアウェイの日本が先制した。三笘薫が中盤で戻りながらコール・パーマー(チェルシーFC)からボールを奪い、上田綺世と細かいワンツーパスを交わすと左サイドに散らす。そして中村敬斗のクロスを三笘薫が右足ダイレクトで狙いすまし、低い弾道のボールはゴール右に吸い込まれた(1-0)。
首尾よくボールを奪い速い攻撃につなげる日本のかたちが出た。上田綺世がゴール前で相手ディフェンダーと競るような走りを見せると、その前にできたスペースに三笘薫が走り込んだ。見事なチームプレーによる得点だった。
34分には、中盤でアンソニー・ゴードン(ニューカッスル・ユナイテッドFC)からパスを受けたエリオット・アンダーソン(ノッティンガム・フォレストFC)が右足で巻いたミドルシュートがクロスバーをかすめた。
50分には堂安律が右サイドから走り込んでトラップでニコ・オライリー(マンチェスター・シティFC)と身体を入れ替えると左足シュートも、GKジョーダン・ピックフォード(エヴァートンFC)がセーブ。
55分には中村敬斗が左サイドから切り込んでベン・ホワイト(アーセナルFC)の裏から左クロスをあげると、伊東純也がトラップして右足でシュートも身体を寄せた相手に当たりゴールならず。
69分には、鎌田大地からボールを受けた中村敬斗がシザースでヴァレンティノ・リヴラメント(ニューカッスル・ユナイテッドFC)を交わすと右足シュートもポストの右に外れる。
そして、そのまま日本が逃げ切り、歴史的な勝利を収めた。(下に記事が続きます)
ワールドクラスの圧力を体感
イングランドが得意とする空中戦を体感できたことは日本にとって大きな収穫だ。最後の10分のイングランドの圧力とパワープレーは凄まじいものがあった。これは、日本がリードしていたからこそ得ることができた展開だ。母国イングランドはホームで面目を保つために死に物狂いになっていた。
本大会では、試合終盤の正念場でワールドクラスのパワープレーが繰り出されるため、最高のシミュレーションになった。
78分にはドミニク・ソランケ(トッテナム・ホットスパーFC)が頭で落としたボールをマーカス・ラッシュフォード(FCバルセロナ)が右足で強烈シュートも鈴木彩艶がセーブし、そのセカンドボールに反応したジャロッド・ボーウェン(ウェストハム・ユナイテッドFC)が右足でシュートも枠の右に外れた。
試合の立ち上がりは、イングランドの圧力で押し込まれたが、これは自力の差が如実に出た。日本は同じく初勝利を収めたブラジル戦でも立ち上がりは圧倒された。
日本の素早いカウンターアタックに対して、イングランドの守備陣は後手後手となり対応が遅れた場面があった。
イングランドに勝ったからといって、日本がFIFAランキングトップ10に入るような強豪国の仲間入りを果たしたとは思ってはいけないが、現政権の森保ジャパンは、大国に勝利する方策を手に入れたと言っていいだろう。
主将ハリー・ケインの不在が影響
イングランド代表のトーマス・トゥヘル監督は現地インタビューで敗因について語った。
「非常に痛い。そんなにやられていなかったが、前半のカウンターアタック一発にやられて残念」
「新しいフォーメイションなどを試した。主力選手が離脱しその影響が見られた。トップのチームがトッププレーヤーに頼るのは当然だ。アルゼンチンがメッシに頼らない、もしくはポルトガルがロナウドに頼らない理由があるだろうか。ハリー(ケイン)の離脱で最後の20メートルでパンチ力が不足していた。プレー面だけでなく精神面でも損失だった」
「前半は、狭い範囲でプレーしすぎた。後半は幅をとってサイドでダイナミックにプレーし、フルバック(サイドバック)を活用し、リスクを冒してチャンスはつくれたが得点できなかった」
「ウルグアイ戦では異なるシステムでセンターフォワードを配置した。今日はフィル・フォーデン、その後ろにドミニク・ソランケを使った。しかし、私は第二のハリー・ケインを探しているわけではない。第二のハリー・ケインは存在しえないのだから」
イングランドは負傷により複数の主力選手を欠いていた。キャプテンでエースストライカーのハリー・ケイン(FCバイエルン・ミュンヘン)、ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)、デクラン・ライス(アーセナルFC)、ブカヨ・サカ(アーセナルFC)、ジョン・ストーンズ(マンチェスター・シティFC)が出場しなかった。
一方で日本も負傷しているキャプテンの遠藤航(リヴァプールFC)、久保建英(レアル・ソシエダ)、冨安健洋(アヤックス・アムステルダム)、南野拓実(ASモナコ)などの招集が見送られた。
サッカー母国がアジアの国に初黒星
日本に敗れたイングランド代表は、アジアの国に対し史上初めて敗戦を喫して7勝4分1敗となった。
イングランドは、3月27日にホームのウェンブリースタジアムでウルグアイ戦でアディショナルタイムに追いつかれて1-1で引き分け、後味の悪い試合となった。
トーマス・トゥヘル監督は、北中米ワールドカップ本大会のメンバー発表前の最後の代表ウィークを1分1敗の未勝利に終わった。
データは日本の狙い通り
ボールポゼッションはイングランドの70%に対して、日本は30%。シュート本数はイングランドの19本に対して日本は7本、枠内シュートは4本に対して2本だった。
ボールポゼッションが低いのは心配不要だ。森保一監督は、非保持から有効な攻撃を仕掛ける形を狙っている。さらには、アウェイの日本が早い時間帯で得点したことから、守備を固めて逃げ切る意図が鮮明となった。
サッカー大国のイングランドにアウェイでポゼッションでまさる時が来たら、それは日本が「ワールドカップ優勝を目指す国」から「ワールドカップ優勝候補」になっている時である。
データでは日本が劣勢に見えるが、さほど危険な場面は作らせず、日本のゲームプラン通り、もしくはそれ以上の出来の試合だったといえるだろう。
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督コメント:ウェンブリーで勝つのは非常に難しいと想定していましたが、選手たちが今回の代表活動期間で日々、チーム力が上がるように努力をしてくれて、スタッフも選手のコンディションが上がるように、そして戦術の理解が上がるように最高のサポートをしてくれました。凡事徹底、細部にこだわって準備するということが、今日の試合の結果に繋がって良かったと思っています。試合は予想通り、イングランドから圧力を受ける場面が多かったですが、それも想定したうえで選手たちが厳しい展開を我慢強く戦いながら、決定機をものにしていくということをやってくれました。試合を通して集中力を切らさずに、そして一人ひとりの役割と(チームとして)組織的に機能するという部分を両方とも最後まで表現してくれたと思っています。


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