FIBAバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)2023で、きょう(2023年8月31日)から始まる順位決定戦に回った日本は、条件次第で31日にもパリ五輪出場権を獲得する可能性がある。31日夜20時10分開始の南米ベネズエラ戦に勝利して通算2勝2敗とし、他のアジア勢(中国、フィリピン、レバノン、ヨルダン、イラン)がすべて敗退し、0勝4敗となるのが条件。楽観はできないが、格上ベネズエラにまずは全力でぶつかる。日本に有利な条件もそろう。
強豪ベネズエラは連戦、主力2人が負傷離脱
ベネズエラはWBCの常連でもある野球の印象が強いが、バスケットボールでも世界ランク17位の強豪だ。米大陸予選では世界ランク4位のアルゼンチンを退けて、このワールドカップに乗り込んできた。
ところが1次リーグはスロベニア、ジョージア、カーボベルデに3連敗。登録12人のうち9人が30代で若さや勢いでは日本に軍配が上がる。加えて、前日30日にジョージアに敗れた試合から2日連戦となる上、司令塔のグレゴリー・バルガス(37)とマイケル・カレラ(30)が負傷で日本戦を欠場することを監督が明言している。
楽観は禁物だが、中一日の休養があった日本に比べ、連戦を強いられる強行日程と、司令塔と得点源を欠く「飛車角落ち」状態のベネズエラは日本にとって勝てない相手ではない。ベネズエラの平均身長は193cmで、日本の192cmとほぼ変わらない。沖縄アリーナの大声援を受けるホームアドバンテージでベネズエラの心を折りたいところだ。
日本は3Pシュートの精度がカギ
ベネズエラ戦の勝利のカギは3Pシュートの精度だろう。大金星を収めたフィンランド戦ではチーム全体で39%の成功率を収め、ドイツ戦の17%から跳ね上がった。ベネズエラ戦でも、今大会攻守で快進撃を見せるホーキンソンを中心にリバウンドからのオフェンスに繋げたい。ベネズエラのディフェンスは外のチェックがそれほど速くない印象で、富永啓生、河村勇輝らがフリーでスリーポイントを狙える機会は増えそうだ。オーストラリア戦で10本中1本も決められなかった3ポイントシューター富永の復調に期待する。3ポイントの成功率を30%台に乗せると勝機が見えてくる。
FIBAワールドカップ2023 アジア勢の成績(※8月31日終了時点)
順位 | 勝敗 | 点差 | 国 |
---|---|---|---|
1位 | 1勝2敗 | -28 | 日本 |
2位 | 0勝3敗 | -23 | フィリピン |
3位 | 0勝3敗 | -63 | イラン |
4位 | 0勝3敗 | -77 | ヨルダン |
5位 | 0勝3敗 | -80 | 中国 |
6位 | 0勝3敗 | -100 | レバノン |
ベネズエラ 南米大陸の北部に位置する国。カリブ海に面し、ブラジル、コロンビア、ガイアナと国境を接する。人口は日本の約2割にあたる2800万人。欧州系と先住民の混血及びヨーロッパ系住民が国民の8割以上を占める国家。原油の埋蔵量が2位サウジアラビアをしのぐ世界一で、石油産業は国有化され、輸出は原油(8割以上)と石油製品でほぼ占められる。石油への依存度が非常に高い。深刻な貧困問題を抱え、2000年代に入り、貧困対策を大幅に拡充したところ、物価上昇や失業率、国外流出者の増大を招いた。日本のプロ野球ではベネズエラ出身のアレックス・ラミレス、アレックス・カブレラ、ロベルト・ペタジーニなどが活躍した。
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