【ハンドボール】日本女子、アジア競技大会は「銀」。韓国に23-27、終盤粘れず

アジア競技大会で銀メダルに終わったハンドボール女子日本代表。来年のロス五輪予選では金メダルで、ファンと喜びを分かち合いたい=2026年9月27日、愛知県稲沢市 のエントリオで(久保写す、以下すべて)
アジア競技大会で銀メダルを獲得したハンドボール女子日本代表。来年のロス五輪予選では金メダルで、ファンと喜びを分かち合いたい=2026年9月27日、愛知県稲沢市のエントリオで(久保写す、以下すべて)
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愛知・名古屋2026アジア競技大会に出場したハンドボール女子日本代表(おりひめジャパン)は大会最終日の2026年9月27日、韓国代表と対戦。23-27で敗れ、大会2連覇はなりませんでした。海外組が大会期間中に合流する難しさもありましたが、アジアを勝ち抜くためには、攻守にさらなるレベルアップが必要です。

目次

韓国、レジェンド2人を呼び戻す

左2枚目DFやトップDFなど、吉留有紀(ハニービー石川)は重要な役目を担う。速攻やレフトウイングでの得点にも期待がかかる
左2枚目DFやトップDFなど、吉留有紀(ハニービー石川)は重要な役目を担う。速攻やレフトウイングでの得点にも期待がかかる

女子最終日の全勝対決は、リーグH男子の豊田合成ブルーファルコン名古屋の本拠地でもあるエントリオで行われました。韓国は左腕の柳殷僖(リュウ・ウニ)、日本リーグでも活躍した李・ヨンギョン(李美京(イ・ミギョン)から改名)のベテラン2人を代表に呼び戻して、日本開催のアジア大会に乗り込んできました。

前回(2023年)のアジア競技大会では、GK馬場敦子(ハニービー石川)の大当たりもあり、日本は韓国に29-19で勝ち、アジア大会で初の金メダルを獲得しました。この時のメンバーでもある吉留有紀(同)は「韓国もパワーアップしているが、私たちもできることが増えている。みんなで人数をかけて、韓国に守り勝ちたい」と意気込んでいました。

前半は守れず、後手に

韓国のレジェンド左腕・柳殷僖。2023年8月に広島で行われたパリ五輪アジア予選では、日本戦で決勝点を決めている
韓国のレジェンド左腕・柳殷僖。2023年8月に広島で行われたパリ五輪アジア予選では、日本戦で決勝点を決めている

しかし前半は12-16と、韓国にリードを許してしまいます。RB柳殷僖のジャンプフェイクからインへの動きを止められません。OFも7人攻撃を仕掛けますが、ベテランのGK亀谷さくら(CSMスラティナ/ルーマニア)が走らないといけなくなるので、かなりリスキーです。 

DF修正で後半巻き返し

柳殷僖をタイトに守るグレイ クレア フランシス(アランマーレ富山)。攻撃型のピヴォットだが、今大会ではDFからのエンプティゴールで多くの見せ場を作った
柳殷僖をタイトに守るグレイ クレア フランシス(アランマーレ富山)。攻撃型のピヴォットだが、今大会ではDFからのエンプティゴールで多くの見せ場を作った

後半になると、DFが整ってきました。3枚目DFで奮闘したグレイ クレア フランシス(アランマーレ富山)は「後半はDFを修正して、機動的な初見実椰子(三重バイオレットアイリス)が2枚目に入ることで、相手のアウトを削ってインに持ってきて、真ん中でプレッシャーをかけることができました」と言います。国内組で作ってきたアグレッシブなDFが、もう少し早い段階から機能していれば、プラン通りのロースコアに持ち込めたはずです。

2点差まで追い上げたが

エンプティゴールを決めたGK亀谷さくら(CSMスラティナ/ルーマニア)はサムズアップで喜びを示す
エンプティゴールを決めたGK亀谷さくら(CSMスラティナ/ルーマニア)はサムズアップで喜びを示す

GK亀谷も当たりだし、後半23分から3連取で日本が追い上げます。佐原奈生子(ハニービー石川)、GK亀谷が連続でエンプティゴールを決めて、26分22-24としました。韓国も日本の3:3DFをかわしてポストシュートに持ち込みますが、GK亀谷がセーブ。観客が盛り上がりました。ところが直後の速攻でシュートが決まらず、韓国に3連取を許してしまいます。最後に佐々木春乃(ギョッピンゲン/ドイツ)の速攻で1点返すもタイムアップ。23-27で日本は敗れました。 

佐々木春乃「パスの精度上げないと」

所属でも日本代表でも判断力と経験値を評価されている佐々木春乃(ギョッピンゲン/ドイツ)
所属でも日本代表でも判断力と経験値を評価されている佐々木春乃(ギョッピンゲン/ドイツ)

佐々木は「フィジカルで負けた訳ではないが、相手にコンタクトされた時のパスの精度は全員で上げていかないと。パスのスピードも課題。点数が止まった時間帯に点を取る。相手に退場者が出た時間帯を確実に生かす。チームとして修正していきたいところです」と、課題を口にしました。

ドイツの所属チームでは司令塔を任されている佐々木は、レフトバックでエースの働きをするだけでなく、センターでも相澤菜月(チューリンガー/ドイツ)の休憩時間をつくったり、ベンチから出てくるセカンドメンバーをコントロールしたり、判断力と経験値でチームを支えていました。佐々木は「相澤も行くべきところは1対1で行っていたので、その分周りの選手もやらなければ。松浦未南(香川銀行シラソル香川)がもっと自信をつけてくれるとうれしいかな」と、次世代の台頭を望んでいました。

若手の底上げさらに

2026年9月23日、中国戦で見せた、中尾藍(大阪体育大学)のシュートブロック
2026年9月23日、中国戦で見せた、中尾藍(大阪体育大学)のシュートブロック

今大会でモーテン・ソウバク監督は、最年少20歳の中尾藍(大阪体育大学)を使いながら戦力化しています。2026年12月の世界選手権でインパクトを残した松浦は、今大会でDFでもよさを発揮したものの、韓国戦では間合いが近くなりすぎて、パスミスがありました。松浦が国内で見せているような判断力を発揮できれば、選手層がさらに厚くなります。ベンチからの追加点は、韓国に勝つうえで重要になってきます。 

相澤菜月「対策の上をいけるように」

大会途中から合流した相澤菜月は、韓国の厳しいマークに苦しんだ
大会途中から合流した相澤菜月(チューリンガー/ドイツ)は、韓国の厳しいマークに苦しんだ

キャプテンの相澤は徹底マークされて、わずか2得点でした。

「会見でも韓国の監督が『いかに相澤を抑えるかを考えてきた』と言っていました。韓国は今回のアジア大会に向けて仕上がっている印象でした。次は相手の対策の上をいけるよう、もっともっと大きくなりたい。大会途中から合流する難しさはありましたが、大会前半を少ない人数で戦ってくれたメンバーには感謝しています」

日本が勝つには、相澤の活躍が大前提です。次に韓国と対戦する時は、ゲームを支配する相澤本来の姿が見たいです。

勝負は2027年ロス五輪アジア予選

モーテン・ソウバク監督は連日1対1の個人面談を行い、相互理解を深めようと努力していました。それでも豪華メンバーがまとまりきるまで、時間が足りなかったようです。勝負は2027年のロス五輪アジア大陸予選。しっかりと合宿をして、大会に臨めるスケジュールになることを願うしかありません。

今回のアジア大会では、課題も多く見つかりました。もう一度フィジカルを強化して、攻守に当たり負けない強さを身につけること。佐々木が指摘していたパスの速さ、精度もそうですし、勝負の際で決め切れるシュート力も必要です。もう一段階ベースの強さを上げてロス五輪予選で優勝、五輪切符をつかみ取りましょう。

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