日本勢のメダルラッシュに沸く、ミラノ・コルティナ冬季五輪は2026年2月20日、大会第15日を迎えた。すでに1000m、500m、団体パシュートの3種目で銅メダルを獲得しているスピードスケート女子の高木美帆(31)=TOKIOインカラミ=が静かに「その時」を待っている。
今夜、日本時間21日午前0時30分、スピードスケート女子1500mに高木美帆が出場する。高木はこの種目の世界記録(1分49秒83)保持者。2019年3月に米ソルトレークシティでマークしたこの記録はこの7年間、破られていない。しかし、2018年平昌五輪、2022年北京五輪と「本命視」されながら、2大会連続で高木は銀メダルだった。あと一歩のところで惜敗してきたこの専門種目で今夜、金メダルに挑戦する。高木は最終組(第15組)のアウトレーンからスタート。今大会は、高木美帆の金メダルへの道に三つのプラス条件がそろった。
競技日程の利、最終種目に強い高木
高木美帆が得意とする1500mは、過去の平昌大会、北京大会では大会の序盤に行われていたが、ミラノ・コルティナ大会では終盤の大会15日目に組みこまれた。高木美帆は、大会が進むにつれて氷の感触や会場の特性に順応し、調子を上げてくる選手だ。平昌、北京の両大会でも、自身が出場した最終種目で金メダルをつかんでいる。大会終盤に本命種目が配置された今回のスケジュールは、リンクへの適応能力、大会終盤の爆発力に長けた高木にとって、確実な追い風となる。
高木美帆のメダルと冬季五輪のスピードスケート競技順
- 2018平昌:1500m(銀)ー1000m(銅)ー団体パシュート(金)
- 2022北京:1500m(銀)ー500m(銀)ー団体パシュート(銀)ー1000m(金)
- 2026ミラノ:1000m(銅)ー500m(銅)ー団体パシュート(銅)ー1500m(?)
最大のライバル不在
今季のワールドカップ1500mで4勝を挙げ、高木美帆の最大のライバルと見られていたヨーイ・ベーネ(オランダ)が国内選考で落選して不在なのは、スポーツの残酷な側面だ。でもそれは、高木にとって有利に働く。ただし、選手層が厚いオランダには今大会500m金、1000m銀といずれも高木が負けているスプリント型のフェムケ・コクがいて、1500mにも出場する。高木は最終15組でニコラ・ズドラハロバ(チェコ)と同走のアウトレーンスタートを引き当てた。スピード感が拮抗する相手を追いかける展開から抜け出し、失速を最小限に抑えられれば、コクにも勝てるチャンスはある。(下に記事が続きます)
低地リンクは高木向き
会場となるミラノ・スピードスケート・スタジアムは、気圧が低くスピードが出やすい高地リンクではなく、ミラノ市街に位置する海抜150m前後の低地リンクだ。好記録決着というよりは、時計がかかる決着となると見る。そうした意味ではスピード一辺倒ではなく、持久力と技術のバランスを兼ね備えるいまの高木美帆にとっては有利な環境と言えるだろう。
1500mは高木自身が「全てを注いできた」と語るこだわりの種目だ。今大会の有終の美を飾る最終種目として「強い気持ちで勝ちに行く」メンタルの準備も整っている。日程、リンク、最大のライバル不在の条件を味方につけて、高木美帆はどんなスケーティングを見せるのか。高木が1500mでメダル獲得となれば、自身11個目となる五輪メダルとなる。日本勢は高木のほか、佐藤綾乃(29)=ANA=、堀川桃香(22)=富士急=も出場する。
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