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【冬季五輪】ミラノ・コルティナ開会式、マライア・キャリーが歌う訳 | 開幕まで1週間

2002年のNFLスーパーボウルで国歌斉唱したマライア・キャリー
2002年のNFLスーパーボウルで国歌斉唱したマライア・キャリー(写真:ロイター/アフロ)
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オリンピックがイタリアに20年ぶりに戻ってくる。フィギュアスケート女子シングルで荒川静香さん(44)が上半身を大きく後ろに反らせる「イナバウワー」を披露して金メダルに輝いたトリノ大会からもう20年。きょうから1週間後の2026年2月6日、ミラノ・コルティナ冬季五輪が開幕する。

五輪の開会式は通常、演出の詳細は当日まで伏せられるのが慣例で、サプライズ演出がつきものだが、ミラノ・コルティナ大会は趣が異なる。ショーの目玉として2025年の年末には米国の歌姫、マライア・キャリー(56)の出演を早々と発表している。それにはミラノ・コルティナ大会ならではの特殊事情が絡む。

目次

極秘だったパリ五輪のガガ、セリーヌ

2024年夏のパリ五輪の開会式を覚えているだろうか。舞台はセーヌ川。夏季大会として初めてスタジアム外で開会式が開かれ、選手たちは船で入場行進した。

その開会式では米国のアーティスト、レディー・ガガがフランスのキャバレー文化を象徴する歌とダンスを披露し、エッフェル塔のバルコニーではカナダ出身のセリーヌ・ディオンが「愛の讃歌」を歌い上げて、クライマックスを演出した。五輪の開会式は世界中の何十億人もの視聴者を惹きつける「世界最大級のエンターテインメント」である。そんな考えから、出演者や演出の詳細は当日まで極秘だった。(下に記事が続きます)

複数会場つなぐ異例の開会式に

ミラノのドゥオーモ大聖堂近くに設けられた五輪関連グッズを販売するメガストア=撮影:仁木岳彦(siteniki.com)
ミラノのドゥオーモ大聖堂近くに設けられた五輪関連グッズを販売するメガストア=撮影:仁木岳彦(siteniki.com)

一方、ミラノ・コルティナ冬季五輪はどうか。夏季のパリ五輪で行われた32競技に対して、冬季のミラノ・コルティナ大会で実施されるのは8競技。冬の五輪の規模感や盛り上がりは夏の五輪よりも圧倒的に小さい。

しかも、エッフェル塔やコンコルド広場の観光名所に仮設会場を設けて、半径10キロのなかに8割の競技会場が集中していたパリ五輪に対し、ミラノ・コルティナ大会は冬季五輪としては史上初の複数都市での広域開催となる。

会場はイタリア北部全域に分散している。競技会場が広がる範囲は東京都の面積の約10倍だ。都市部のミラノから山岳部のコルティナダンペッツォまでは移動距離にして400キロ超、鉄道やバスでは5〜6時間かかる。だから開会式も、史上初めて複数の会場を同時につないだ分散型の式典になる。

ミラノのサンシーロ・オリンピックスタジアムがメイン会場になるが、ほかにも雪上競技が行われるコルティナダンペッツォ、ジャンプ系競技のプレダッツォ、スノーボードやフリースタイルスキー会場となるリヴィーニョと、選手の入場行進も4つのそれぞれの場所で行われる。そんな散り散りの開会式をミラノ・コルティナ大会では「一つ」に統合して見せる工夫が迫られているのだ。

ウィンタースポーツをモチーフにした装飾が施されたミラノ市街=撮影:仁木岳彦(siteniki.com)
ウィンタースポーツをモチーフにした装飾が施されたミラノ市街=撮影:仁木岳彦(siteniki.com)

冬の象徴マライアがイタリア語で歌う

開会式のテーマはイタリア語で調和を意味する「Armonia(アルモニア)」だ。そこで主催者が白羽の矢を立てたのが、マライア・キャリーの歌声というわけだ。

もともと「恋人たちのクリスマス(All I Want For Christmas Is You)」に象徴される冬のイメージが強いマライア・キャリーの抜擢を大会組織委員会は「大会に至るまでのエモーショナルな雰囲気(冬の魔法のようなイメージ)を象徴している」と説明。マライアは開会式でイタリア語で歌を披露することも発表されている。

五輪関連グッズを販売するミラノ市内のメガストアで=撮影:仁木岳彦(siteniki.com)
五輪関連グッズを販売するミラノ市内のメガストアで=撮影:仁木岳彦(siteniki.com)

マライアの「早期発表」はマーケティング戦略

マライア・キャリーが「調和」の象徴としての役割を担うというのは、いわば表向きの理由で後付け感が漂う。夏季大会に比べて注目度が上がらない冬季大会開会式に、世界的なスターを起用する異例の「早期発表」は、話題性を長期間持続させるためのフック(引き金)であり、仕掛けだ。

開幕1ヶ月以上前からチケット販売や大会の機運醸成を意識した苦肉のマーケティング戦略との見方もできる。さらにマライアは、五輪の巨大スポンサーである米放送局NBCを含む世界規模の視聴者層を意識したキャスティング。特に北米市場を含むグローバルな注目度を高める狙いがあるとみられる。

ミラノ・コルティナ大会の観戦チケットは2025年12月時点で全体の約70%が販売済みと報じられた一方、一部では150万枚のうち約半数近くが売れ残っているとの指摘もあった。2026年1月22日には大会組織員会が26歳以下を対象に、開会式の最も安価な260ユーロ(約4万8,000円)の席を「1枚の料金で2枚分」提供する「実質半額プロモーション」を発表した。五輪離れが進む若者を何とか振り向かせたいようだが、マライア・キャリーは若者のハートをつかめるだろうか。

ミラノ・コルティナ冬季五輪開会式(2026年2月6日)

現地ミラノのサンシーロ・スタジアムなどで午後8時開始。 

地域 開始時刻(現地時間)
日本時間 (JST)2月7日(土)午前4:00
アメリカ東部時間 (ET)2月6日(金)午後2:00

※米NBCでは午後2時から生中継されるほか、午後8時(プライムタイム)から録画放送が行われる。 2月8日(日)は、NBCが放映権を持つ第60回スーパーボウルが開催されるため、五輪競技の合間にスーパーボウルの特番を挟む「Legendary February」という大規模な特別編成が組まれている。 

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